スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【◎】「クイズ・ショウ」鑑賞。

2013年05月01日 20:49

 1956年、アメリカ全土を熱狂させていたテレビの人気クイズ番組「21」で、ハーバート(ジョン・タトゥーロ)は8週連続勝ち抜いたが、視聴率は低下。スポンサー(マーティン・スコセッシ)は、もっと見栄えのよい人間をチャンピオンに据えよとプロデューサーに厳命し、かくして二枚目大学教授チャールズ(レイフ・ファインズ)に解答を事前に教えた上で番組に出演させ、連戦連勝させるのだが……。

 ということで、観ました。
 1950年代に実際に起きた大テレビスキャンダルを、1994年に映画化したもの。一言で言えば「クイズ番組における不正」ということで、となれば聞いたまま、想像通りのことが行われていたということ。問題となるのは、それにより賞金やら広告費やら制作費やら、大きな金が動くということ、その影響力のこと。ところが今となってみれば、テレビ番組の制作にかかわる意図的な、或いは恣意的な「事実」の見せ方、切り取り方、そういった「操作」はあって当たり前のようなもので、視聴者は今更騙されているとは考えない。メディアの真髄、怖いことこの上なし。


スポンサーサイト

【○】「アヒルと鴨のコインロッカー」鑑賞。

2013年05月01日 16:43

 大学入学のために仙台へ引っ越してきた椎名。新居の片づけをしていると、同じアパートの河崎と名乗る男が声をかけてきた。口ずさんでいたボブ・デュランの曲に興味を持ったらしい。しかし、彼は初対面の椎名に、同じアパートに住むブータン人のドルジという青年に広辞苑を盗んでプレゼントしたいから「本屋を襲わないか?」と誘う。ドルジは河崎の元彼女の琴美と付き合っていたらしい。また買うのではなく盗むのが大切だと奇妙なことを言う河崎。 椎名は逃げ腰だったが河崎の巧みな話術にのり、気づいたら本屋襲撃に加担していた!

 ということで、観ました。
 原作の小説は既読。淡々としたコミカルさが売りの伊坂節がちゃんと映像化されていて真面目な顔のまま吹き出してしまう面白さがちらほら。「書店を襲撃して辞書を手に入れる」という唐突な導入部がきちんと意味を持って説明される終盤がちょっと凄い。登場人物の視点もくるりと入れ替わることで、それまでの風景が全く違った物語となって見えてくる。幾らでも盛り上げることは出来るんだろうけれど、敢えて穏やかにしている感じ。どうしても納得出来ない要素がひとつだけあって(日本語が全く読めない)、でもこれって本作を成立させる重要なファクタだもんなあ…。原作を読んだときにも、ここだけはすんなりと納得出来なかったのです。特別、期間が短い物語だという風でもないしなあ。


【◎◎】「おとなのけんか」鑑賞。

2013年04月11日 22:20

 ニューヨーク、ブルックリン。11歳の子供同士の喧嘩の後、話し合いのため集まった2組の夫婦。リベラルな知識層であるロングストリート夫妻とカウアン夫妻。冷静に平和的に始まったはずの話し合いは、次第に強烈なテンションで不協和音を響かせ、お互いの本性がむき出しになっていき、やがては夫婦間の問題までもが露わになっていく。

 ということで、観ました。
 子供がしでかした喧嘩の後始末をするために集まった二組の夫婦。最初は穏便な「ミーティング」をこなして別れるはずだったのが、少しずつ話は食い違っていく…。登場するのはこの四人のみ、舞台は一箇所。原作は舞台劇とのことで、台詞回しが中心となってくるのですが、これが滅茶苦茶面白かった。言葉と表情だけで意見を酌み交わす「大人の喧嘩」が、次第次第に盛り上がっていく様は呆気に取られるばかり。はっきり言って滅茶苦茶です。強烈な皮肉を伴うオチに大喝采。そうだよなあ、子供の喧嘩って、こういうものだよなあ。
 原題にも注目。carnage.


【○】「シーサイドモーテル」鑑賞。

2013年03月30日 21:38

 生田斗真、麻生久美子ら共演によるアンサンブルコメディ。海がないのに“シーサイド”と名付けられた山奥のモーテルを舞台に、インチキセールスマン、三十路前のコールガール、借金まみれのギャンブラーらワケアリな男女11人が駆け引きを繰り広げる。

 ということで、観ました。
 アンサンブルコメディっていうのか、こういうの…。
 まず観る側が知っておかないといけないのは、本作はトリック・ムービーではないのだということ。推理小説における「作者が読者に仕掛ける」ような騙し合いの物語ではなく、登場人物たちが本心、本音を何処まで曝け出して良いものか、という駆け引きをする話が幾つか交差するところが面白いのだと思います。ふたりの人間がそこにいるとき、お互いを良く知らないはずの間柄で深層の真相を見せ合うことは、まず有り得ない。こう見せたい、こう見て欲しい、と思うところを取り繕って現すことが多いために、それは客観的に言えば騙しているのだと言い切れなくもない。そうして生まれるすれ違いが交差するお話です。


【○+】「少年は残酷な弓を射る」鑑賞。

2013年03月25日 22:36

 自由奔放に生きてきた作家のエヴァは、キャリアの途中で子供を授かった。ケヴィンと名付けられたその息子は、なぜか幼い頃から母親のエヴァにだけ反抗を繰り返し、心を開こうとしない。やがてケヴィンは、美しく、賢い、完璧な息子へと成長する。しかしその裏で、母への反抗心は少しも治まることはなかった。そして悪魔のような息子は、遂にエヴァのすべてを破壊する事件を起こす――。

 ということで、観ました。
 冒頭から最後まで、なんだか呆然と見守ってしまった。
 私に幸福は訪れない。私たち、にも、きっと。
 潰れたトマトのどぎついハイライトが瞼の裏に明滅する。沈黙のシーンが多いのは、通常の会話で済ませられる空気が本編に存在しないから。ホームドラマのアンチテーゼを描いたかのような素直な「愛情」に対する不安感。直接的な描写はないのに始終「何か悪いことが起きる」予感が延々と続く。このトーンでハッピーエンドは有り得ないことが分かりきってしまっていて、しかしこの異常さを見守り続けてしまう。
 …この邦題は綺麗過ぎるかもしれない。


【△】「裏切りのサーカス」鑑賞。

2013年03月23日 21:30

 東西冷戦下、英国情報局秘密情報部MI6とソ連国家保安委員会KGBは熾烈な情報戦を繰り広げていた。 ある策略により、英国諜報部<サーカス>を去ることとなった老スパイ・スマイリーの元に、困難な任務が下される。 それは、長年に渡り組織の幹部に潜り込んでいるソ連の二重スパイ<もぐら>を捜し出すこと。 標的は組織幹部の4人、<ティンカー(鋳掛け屋)、テイラー(仕立屋)、ソルジャー(兵隊)、プアマン(貧乏人)>。 過去の記録を遡り、証言を集め、容疑者を洗いあげていくスマイリー。浮かび上がるソ連の深部情報ソース<ウィッチクラフト>、そしてかつての宿敵、ソ連のスパイ<カーラ>の影。やがて彼が見いだす意外な裏切者の正体とは―

 ということで、観ました。
 ゲイリーとベネディクトが出演していると聞いて。東西冷戦時代の西欧の話。二重スパイを探る退役した元スパイの話。なんだが…、これは意図的に難しく組まれた脚本だと思う。長年の名残か感情を見せない主人公や、真実を口にしているのか分からない登場人物。時間軸も一定ではないので、流れをしっかり押さえていないと、現在、誰がどんな役割で何をしようとしているのかが全く掴めなくなってしまう。表の顔が分かりにくいゆえに二重スパイと言われても全然意外性を感じることが出来ないという…。
 正直、何も理解出来ないまま観終えました。



 2日後に再び観たのですが、やはり話の流れを追うのに精一杯。ううん。
 詰まらなくないんだけどなあ。

【○+】「28日後…」鑑賞。

2013年03月05日 21:54

 たった1滴の血液で感染し、人間の精神を数秒で破壊する新種のウィルスが発生した。感染者の血管は純粋な激しい怒りで溢れ、人間の声を聞いただけで相手を殺そうと襲いかかる……。28日後、ジムは病院の集中治療室で昏睡状態から目覚める。世界から何もかも消滅してしまったような静寂の中、ジムは生き残った4人の非感染者たちと共に1台のタクシーで旅立つ。未来を救えるわずかな可能性を信じて。しかし、死のウィルスより恐ろしい存在に彼らはまだ気づいていなかった……。

 ということで、観ました。
 パンデミック&ゾンビ。冒頭の静まり返ったロンドンの街の情景が素晴らしい(幾らなんでも死体が全くない、というのは有り得ないと思うのですが)。ちょっと綺麗過ぎるところが意図的な空気を隠せないのですが、呆けた沈黙を連れてとぼとぼ歩く主人公の姿は絵になりますね。ヨーロッパゾンビは走るゾンビ。厳密にはリビングデッドではなくてビョーキらしいのですが、全力疾走するゾンビに出くわしたら大パニックだよな、といつも思う。スクリーンの前で観ていると絵面としては割と可笑しい部類なのだけれど。ゾンビ映画のサバイバル・ホラー系は、多くが「結局は人間同士の争いに終着するのかよ」になるのですが、本作もそう。
 劇場公開版よりも、オリジナル版のエンディングの方が好きです。
(「ゾンビランド」みたいだな、と思っていたら、こちらが本家とのこと)


【○+】「シャッター・アイランド」鑑賞。

2013年03月03日 21:59

 精神を病んだ犯罪者だけを収容し、四方八方を海に囲まれた「閉ざされた島(シャッター アイランド)」から一人の女が姿を消した。島全体に漂う不穏な空気、何かを隠した怪し気な職員たち、解けば解くほど深まる謎……。事件の捜査に訪れた連邦保安官テディがたどり着く驚愕の事実とは!?

 ということで、観ました。
 精神病棟のある島、監獄の島から消えたひとりの女。島に渡るふたりの保安官。意味ありげな皆の視線の先にあるものは…。長丁場だけれど映像そのものが面白いので見ていて飽きないのが良い所。BGMも素晴らしいですね。舞台が舞台なだけに不穏な空気は隠せない。数々の謎を解かせると同時にまた新たな謎を重ね合わせていくことで、何が本当で嘘なのか、真実というものがあるかどうか、とテディの視点に重なるようにして観る者は混乱に拍車を掛けていく。
 実際、最終的に提示される真相とは一言で表すと視聴者の想像の域を越えるものではないのかもしれない。しかし冒頭の風景とは全く違った光景に、もう一度最初から見返してしまいました。ラストの台詞は、やはり彼の「意図的」な「本心による」ものなのだろうと思います。


【◎◎】「時をかける少女」鑑賞。

2013年02月22日 21:51

 高校2年生の紺野真琴(声・仲里依紗)はある夏の土曜日の実験室で不思議な体験をし、それ以来時間を跳躍するタイムリープの力を身につけてしまう。はじめはそれを巧みに利用して日々を楽しんでいた彼女だが、仲良しの同級生・千昭(声・石田卓也)から告白され、それを強引になかったことにしようと時を遡ったときから、運命の歯車が狂い始めていく…。

 ということで、観ました。
 やっぱり傑作だー。
 好き勝手に時間を戻せる、なんて、ご都合主義の物語だという批判はそのまま受け止めるしかない。その上で物凄く練られた脚本である、というのは、そのまま原作の筒井氏の凄さだろう。だって「自分の都合の良いように時間を流れさせると、結果的に何も自分の思い通りに行かない」ということが分かってしまうのだから。「好きな未来」に行くことだけは、彼女にも出来ない。それでも彼女は突っ走る。誰も彼も莫迦正直なくらい莫迦ばっかなんだけど、そうじゃないと目の前のことに真っ直ぐに全力で走ることなんて出来ない。


【◎】「レオン」鑑賞。

2013年02月18日 23:55

 ニューヨークを舞台に、凄腕の殺し屋と家族を殺された少女との心の交流を描いた、リュック・ベッソン監督によるスタイリッシュ・アクション。買い物に行っている間に家族を惨殺された12歳の少女マチルダは、隣人レオンに助けを求める。戸惑いながらもマチルダに救いの手を差し出すレオン。彼が殺し屋だと知ったマチルダは、復讐するために殺し屋になりたいと懇願する。ジャン・レノ、ナタリー・ポートマンほか出演。

 DVDを持ってるので、もう何度目か、という話ですけど。
 何度観ても良いものは良い。


【○】「サバイバル・オブ・ザ・デッド」鑑賞。

2013年02月18日 20:53

 ある年の10月、突如として死者が蘇り、人々を襲い始めたという衝撃的ニュースが駆け巡った。それから4週間あまりが経ち、世界はまさに地獄と化していた。元州兵のサージも秩序を失い崩壊した軍隊を離れ、強盗を繰り返しながら安全な場所を探し求めていた。そんな自分と世界に嫌気がさしていたサージに信じられない情報が舞い込んで来る。デラウェア沖に“安全な島”があるという。サージたちは疑いつつも、どこにも希望を見出せない今、わずかな望みをかけてその島へ向かうことにする。命からがら島へ辿り着いた彼らを待ち受けていたのは、島民からの襲撃と進化を遂げつつある死者の群れだった・・・。

 ということで、観ました。
 「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」から枝分かれしたストーリーだが、両者の繋がりは殆どなし。せいぜいが、世界の情報がネットを伝って手に入る、というくらいのもので、現代的か、と言われればそんなことはないとしか言えない。全世界が影響を受けているゾンビ化の脅威も、本作のように孤島に舞台が移ってしまえばそのコミュニティの問題、課題で収まってしまいかねないので、どうしてもこじんまりしてしまう。争う必要を感じさせない「戦争」とかもどうか。
 最後のシーンは良く画面栄えしていて好き。本編のテーマを端的に表していると思う。


【○-】「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」鑑賞。

2013年02月18日 15:51

 山の中で卒業制作のホラー映画を撮影していた、ジェイソンら映画学科の大学生たち。そこに、世界各地で死者が蘇っているという、衝撃ニュースが流れてくる。撮影を切り上げ、キャンピングカーでそれぞれの故郷を目指す彼らの前に、蘇った死人が人々を襲う、信じられない光景が現出。ドキュメンタリー監督志望のジェイソンは、全てをカメラに収めようと決意。ニュースが錯綜する中、YouTubeには断片的な衝撃映像が次々にアップされていた。この惨劇を後世に伝えるという使命に燃えるジェイソンだったが、学生たちは一人また一人と犠牲になっていく…。

 ということで、観ました。
 ドキュメンタリーを謳ったサバイバル・ホラー。例によってロメロゾンビはどんな条件でゾンビ化するのかをきっちり明かさず、何故か「はい、今から死んだら皆ゾンビね!」を執拗に繰り返す。このお約束を守れないと、作中で何をドタバタやっているのか首を傾げてしまう。こんな状況だけど俺はドキュメント風の映画をリアルタイムで撮るのだ、という青年の意思による一人称視点、POVの手法で撮られている趣向は、けれど、いまいち緊張感が伝わってこない。劇中でも述べられているように、レンズを通すことで「傍観者」の視点になるからか。


【○】「ファイト・クラブ」鑑賞。

2013年02月15日 22:13

 不眠症に悩む若きエリートのジャック。彼の空虚な生活は、謎の男タイラーと出会ってから一変する。自宅が火事になり、焼け出されたジャックはタイラーの家へ居候することに。「お互いに殴り合う」というファイトにはまっていく二人のもとに、ファイト目当ての男たちが集いあうようになる。そして秘密組織“ファイト・クラブ”がつくられた!

 ということで、観ました。
 もう大傑作だとずっと言われ続けてた作品で、いつかは観なきゃあなあ、と思っていたので、やっと観ることが出来て良かったです。日本語で暴力、というよりもヴァイオレンス、と呼ぶべきなのだろうか、それともそんな格好つけた物言いなんて似合わない、単純で純粋な手腕による力の産物が「ファイト・クラブ」なのだろうか、或いは、本作を見終えた人なら分かるのだろうけれど、「見せ掛けの殴り合い」こそがジャックとタイラーのしていたことで、それから膨れ上がっていく組織やら社会への反発やらその実行やらは、やはり空想に近しい虚しい行動に過ぎないのだろうか。考えれば考えるほどにまとまりはなくなっていくのですが、それもそのはずで、実際に作中で起きている出来事は割とシンプルに言い表すことが出来るはずです。ただそれを口にしてしまうと本作の半分の魅力が失われてしまうので、それは観た者にしか分からない話。
 サブリミナルの趣向は凄く面白いと思った。


【◎】「狼の死刑宣告」鑑賞。

2013年02月13日 20:08

 妻と二人の息子と幸せな生活をおくる普通の男:ニック(ケビン・ベーコン)は、立ち寄ったガソリンスタンドでギャングの襲撃に遭遇し、目の前で息子を殺されてしまう。心の傷も癒えぬまま裁判を迎えるが、納得のいく刑罰を与えることができないことを知り、法廷で裁くことをあきらめる。その後、怒りと悔しさから計らずも犯人の少年を尾行し、自らの手で復讐し、殺害してしまうが、その相手はギャングのボスのたった一人の弟だった。暴力の連鎖を止められなくなってしまったニックは、愛する家族までも巻き込んでギャングとの、“戦争”に陥っていく。

 ということで、観ました。
 本作の「復讐」の発端には理不尽な暴力と児戯のような障害しかない。全く普通の人である主人公が染まっていく復讐への衝動も、実はまたそれに近い。そこには理性やら感情やらで支配出来ない、制御出来ない本能のようなどうしようもないものがあるのかもしれない。司法に全てを委ねることへの無力さが稀に発生して、それがこういう物語ではまた辛い。人の行動全てに説明が付けられるわけではない、何らかの形で妥協することが許されるのならば、そこには復讐など生まれるはずもないし、無意味な悲しみなど存在する必要もない。罪びとは皆恩赦を受け、それを裁く者は皆恩赦を与えるだろう。復讐は復讐を呼ぶ。
 立体駐車場のシーンとか、カメラワークが逐一格好良いです。長回しであーいう撮り方をされてしまうと、それに気づいたときの感動は半端ないね。映画はやはり視点が重要視されるために、こういう実験的な「見せ方」が大きい。


【○】「デビル」鑑賞。

2013年02月11日 17:06

『シックス・センス』のM.ナイト・シャマラン監督が手掛けたサスペンスホラー。高層ビルからひとりの男が転落死を遂げる。同じ頃、エレベーターが突如停止し5人の男女が閉じ込められてしまう。そして照明が消えるたびにひとりずつ死んでいき…。

 ということで、観ました。
 高層ビルの中のエレベーター内に閉じ込められた5人、密室内で繰り返される事件…、というワン・シチュエーション・スリラーを軸に、外側から警察や警備の視点で事件は進行する。如何にも現代らしく、登場人物の身の上は次々と判明し、この事件が偶然か必然かが少しずつ判明していく。深刻化していく密室と平行して、その外側でもスピーディな「捜査」の展開があり飽きさせないのは良いところ。本作の好き嫌いを分けるのは、「犯人」の存在がロジックとは距離を置いたところにある辺りでしょうか。それなら冒頭から一直線の展開なのかな、と。


【△】「11:11:11」鑑賞。

2013年02月10日 11:11

 最愛の妻と息子を放火で失った人気作家のジョセフ。失意の底にある彼は、不気味な幻覚に苦しめられていた。壮絶な交通事故に巻き込まれるも奇跡的に無傷で生還した彼は、牧師である弟から父親の危篤を知らされ、故郷のバルセロナへ向かう。彼はそこで、自らに起こる不吉な出来事の全てに“11"という数字が関わっていることに気付く。その符号の謎を解明すべく調査をはじめる彼は、少しずつ“冥界の扉"に引き寄せられていくー。そのナンバーが揃う時、ヤツは必ずやって来る・・・! 謎の符号“11"に秘められた邪悪な秘密とは! ?

 ということで、観ました。

 あかん。これはあかんやつや。
 フラッシュバックで示されるラストは「SAW」シリーズで味を占めた監督のドヤ顔が透けて見える。


【◎】「スケルトン・キー」鑑賞。

2013年02月09日 22:29

ケイト・ハドソン主演で贈るミステリー・ホラー。ルイジアナ州を舞台に、老夫婦の家に住み込みで働くことになった女性に襲いかかる恐怖を描く。

 ということで、観ました。
 パッケージは怖いですが、中身は生理的な恐怖とは別。ホラーというよりはミステリで、最後まで面白く観ました。タイトルの「スケルトン・キー」というのは、いわゆるマスターキーのこと。そして本作のテーマはフードゥー。ブードゥーではなくて、フードゥー。知らなかった。これは案外、現代的な信仰ですね。「信じる」ことによって現れる呪いの効果、霊の存在、そして脅威。それが何なのかを突き止めようとする精神、そのものが、沼地に迷い込んでいくことになる。主人公キャロラインの目線が、観る者の視点と重なって物語が進行するために、終盤のシーンではとんでもなく怖いことになります。伏線は全編にあり、ラストですとんと腑に落ちました。


【○+】「真実の行方」鑑賞。

2013年02月07日 23:19

 シカゴの大司教が、78カ所の傷を負って殺害された猟奇事件で、敏腕弁護士のマーティン・ベイルは、名声を得たいがために、その容疑者である19歳の少年アーロンの弁護を無償で引き受け、元恋人のジャネット検事と対決することになる。しかし、大司教を敬愛し、殺害時の記憶を失っているアーロンの、その記憶の糸をたぐり寄せていったとき、そこには恐るべき真実が…。

 ということで、観ました。
 社会と宗教に喧嘩を売るような小賢しいながらも堂々とした法廷モノ。アメリカ法廷の検察と弁護の丁々発止は見ていて小気味良い。なんだかやたらと謎の雰囲気をまとう被告の少年が印象的ですが、その印象そのものが淡くて不思議な感じ。と思っていると、途中で、ああ、そういう方向に持っていくのね、という第一の転換点。でも(「真犯人である第三者がいるから被告は無罪である」という論点があるゆえに、弁護側は「心神耗弱による責任性を問えないが故に無罪」という論点では無罪を請求出来ないというのは興味深いです)どうやれば巧く思い通りにやれるのかしら、と緩やかな感じで見守っていたら、ラストに向かう緩急の良さはたまらない。あの最後の嫌な予感といったら!
 観終わってみれば、何もかもの印象が覆っていることに気づく(最初からアーロンなどいなかった!)。檻の中の少年のあの笑顔がしばらく脳裏に焼きついて離れません。


【○+】「ハンナ」鑑賞。

2013年01月29日 22:41

 元CIA工作員の父とフィンランドの山奥で人知れず暮らし、並外れた格闘テクニックを叩き込まれたハンナ。
愛らしい外見に反し、痛みを知らず感情をもたないまま16歳にまで成長したハンナの戦闘能力はいつしか父を超え、ついに外の世界へ旅立つ日が来た。
 ある任務の下、ヨーロッパへ旅立った彼女をかつての父の同僚であるCIA捜査官マリッサが執拗に追う。行く手を阻むマリッサの手下との壮絶な戦いのなかで、ハンナは自身の卓越した身体能力の秘密を知らされることに---。

 ということで、観ました。
 華奢な少女がアサシン。厳密には違うのですが、そんな表現が似合いそうです。「ニキータ」等を思い出しますね。追いし者、追われし者。サスペンスフルなのに、映像はとても綺麗。色素の薄い少女が雪原や暗闇で青い瞳を光らせる様は本当に絵になります。彼女とその父親は一体何者を標的にしているのか(殺しに言ったかと思えばあっさり捕まってみたり、この辺、本当に曖昧な気がする)、そしてその目的は。前半から中盤の流れはとても好き。それだけに、後半に向けての緩急が大きくて、落としどころが曖昧になっているような印象。フィンランドの奥地で暮らしていたために電気とかガスとかよく知らずに過ごしていたような子が、恐らくほんの数日、世間に出てきただけで、調べたい相手をネット検索とか。知識を生かした、と言えばそれまでなのだが、突然順応力の高さを出されてもなあ。ビックリした。
 ラストシーンの一言は観客の期待を裏切らないアクセントで、これも好きです。


【◎◎】「天国と地獄」鑑賞。

2013年01月25日 21:48

 誘拐犯と捜査陣の対決を描いたサスペンス映画の決定版。全編に圧倒的な緊張感が溢れており、中でも日本映画史上に残る身代金奪取の意外なトリック・シーンは圧巻。

 ということで、観ました。
 「黒澤映画」をそうと知って観たのは初めてかもしれない。優れた誘拐モノ、と聞いて観てみたくなったのだけれど、見終わってから、1963年製作と知って驚いた。140分の長尺が全く弛まない。脚本と演出が隅々にまで神経を張り巡らせているよう。ディテールが緻密で物語も濃密なサスペンス映画だ。おおよそ、2部構成であることが伺えるのだけれど、そのふたつの空気が全く異なるようでいて、きっちり平行線を辿っている。現代ではなかなか実際には取り組めない、濃いリアルと犯人像。インパクトのあるラストシーンが題名を物語る。


【◎】「12人の優しい日本人」鑑賞。

2013年01月22日 22:46

 三谷幸喜脚本による、演劇集団東京サンシャイン・ボーイズの同名舞台を映画化。日本に陪審員制度があったらという架空の設定を基に、12人の陪審員がある殺人容疑者の判決をめぐって議論を繰り広げるコメディ。

 ということで、観ました。
 「十二人の怒れる男」を日本流にアレンジした作品。舞台劇が大本の作品で、これは幾度となく時代設定に合わせて台詞等を書き換えているようです。いよいよ日本でもこのような話は絵空事ではなくなってきましたね。
 ある殺人事件の審議で、当初は11人が無罪を主張していたが、1人だけが有罪を主張、という始まりは、オリジナルとは逆。度重なる検証により、次第に信憑性の高い可能性が発見されていき、やがては…。密室劇であるところ、口頭による状況説明の繰り返し、という遣り方で、脚本勝負の映画ですが、そこかしこに日本人らしさ(フィーリングを強調する)が溢れていて面白いです。ラストの衝撃も良。


【○+】「12人の怒れる男」鑑賞。

2013年01月22日 20:43

 ロシア軍将校だった養父を殺害した罪で第一級殺人の容疑がかかっているチェチェン人少年の裁判は、当初は明らかに有罪だと思われていた。しかし、いくつか腑に落ちない点に気付いた1人の陪審員が他の陪審員に疑問を投
げ掛ける。無罪の可能性が浮かび上がってきたことから、審議の場は二転三転していくが…。

 ということで、観ました。
 同タイトルの名作を、ロシアを舞台にアレンジ。リメイクというよりそう呼ぶ方がしっくり来るような気がします。大筋の流れはオリジナルと同じ、しかし被告の少年の生い立ちや地方の情勢、勿論、陪審員たちの顔ぶれもガラリと変えてきています。オリジナルのテンポに比べれば長広舌がやたらと多く、時折意味ありげな場面転換が繰り返し行われるために、全体の尺は倍近くあり、オリジナルが大好き! という人は退屈になるかも。しかし、オリジナルとは全く違う説得力で観る者を圧倒するラストへの流れは、なんだか流石としか言いようがない。


【◎◎】「十二人の怒れる男」鑑賞。

2013年01月22日 17:40

 裁判での12人の陪審員たちの討論を描いた法廷ドラマ。17歳の少年が起こした殺人事件について審議する陪審員たち。誰が見ても彼の有罪は決定的であったが、ひとりの陪審員は無罪を主張。そして物語は思わぬ展開へと発展する

 ということで、観ました。
 ある殺人事件の審理をするために集った12人の男。被告の少年は九分九厘有罪、死刑であるはずだった。しかし、あるひとりの疑問が、少しずつその場を伝播し、支配していく。この少年を有罪にしても良いのか? 犯罪者が有罪か無罪かを委ねられた者として、どのように事件を審理するべきか? これは現代にもそっくりそのまま通用する論理です。法廷劇だが、舞台劇のように、密室から話は他所へ移らないため、言葉の遣り取りのみで「どんな事件のどんな疑問を議論していくのか、それから導かれる答えは」という話が進んでいくために、まどろっこしさを感じる人もいるだろう。けれども、敢えて場所を移さないことによって、実に濃密な会議が成立している。少年は有罪か、無罪か。実に丁寧に練られた脚本に乾杯。


【○+】「リミット」鑑賞。

2013年01月21日 23:04

 棺桶のように小さな箱を舞台に繰り広げられる脱出劇を描いたサスペンススリラー。イラクで民間ドライバーとして働いていたポールは、何者かに襲われ真っ暗な木箱の中で目を覚ます。状況が理解できない彼は、何とかして助けを呼ぼうとするが…。

 棺桶の中に、男がひとり。舞台としては、それだけ。本当に、他の場所は映されないし、他の人も出てこない。地中に閉じ込められた中、どうにかして助けを求めようと苦悩し奮闘する男の話。それだけで90分を持たせられる脚本が凄い。電話を掛けまくって騒ぎまくって、落ち着いて考えてまた怒鳴って。主人公ポールの回想シーンとか第三者の視点とかが全くなく、リアルタイムの閉鎖感がひたすら続くので、とても息苦しい映画です。事態は少しずつ進み、そしてラストシーンの静かな衝撃が、しばらくは観る者の胸を埋めることでしょう。きつい。
 思うに、マーク・ホワイトというのは、誘拐・拉致事件で被害にあったまま助からなかった男性のことを示す符号なのではと。一番最後のシーンで、見つかったのはマーク・ホワイトだった、と告げられて、ポールの絶望と共に幕は下りるのですが、そもそも「マーク・ホワイト」という名前の人物が同時期に被害に会っていた、という単純な話ではなく、不特定多数の(生死不明な)被害者がいたのでは、と考えると、最後の最後でポール自身も「マーク・ホワイト」のひとりとなってしまった、ということになり、悲壮感はますます募ります。棺の壁にポールがペン書きした文字が、スタッフロールの後に映し出されるのも、そういうことなんじゃないのかな、と考えました。
 そんなわけで、手放しにはお勧め出来ませんが、シチュエーションスリラーの先端を目指す良い作品。


【◎】「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」鑑賞。

2013年01月20日 20:56

 気のいいヤツらが殺人鬼?? スプラッターおバカコメディー! 親友同士のタッカーとデイルは、念願の別荘を手に入れ、休暇を自分たちの山小屋で過ごそうと森へやって来た。しかし2人は、同じ時にキャンプに来た生意気な名門私立の大学生グループに、人里離れた山に暮らす殺人鬼だと勘違いされる。タッカーとデイルが川で溺れかけた女子大生を助けたことで、更に誤解が誤解を生み、次々と死人が出てしまう。仲間の女子大生を救おうと大学生が襲いかかってくるが、事態はなぜか不思議なありえない展開に!気のいいタッカーとデイルの運命やいかに…?

 ということで、観ました。
 面白かった! ホラー映画の殺人鬼として登場しそうな冴えないふたり(実際、何もしていないのにそう勘違いされてしまうのが何もかもの始まり)、という設定をきっちり覚えておくと、どんどん面白い方に転がっていく本作は最後まで目が離せない。ホラーコメディにカテゴライズされているが、人気のない別荘地で大学生たちとのあれやこれや、といういわばお決まりの下地から、定石を破る「予想外の展開」に声を出して笑ってしまった(「次々に学生たちが自殺を始め、自分たちも殺そうとしている!」そんな無茶苦茶な、と思うけれど、その通りだ)。見方を変えればホラー映画はこんなに可笑しくなってしまう。とはいっても何処も陳腐なことなくスプラッタな描写や登場人物の真情を踏まえた遣り取りなど、巧いこと作り込まれている。
 一番最後のシーンは実に意外性に富んでいて、こんなところでも驚き。吊橋効果か。




RECENTLY


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。