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「向日葵の咲かない夏」道尾秀介、読了。(☆☆☆+★?)

2007年08月21日 19:12

 明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。慌てて学校に戻り、先生が警察と一緒に駆け付けてみると、なぜか死体は消えていた。「嘘じゃない。確かに見たんだ!」混乱する僕の前に、今度はS君の生まれ変わりと称するモノが現れ、訴えた。―僕は、殺されたんだ。半信半疑のまま、僕と妹・ミカはS君に言われるままに、真相を探る調査を開始した。

 ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。見掛けだけではない、「何処かおかしい」という違和感が付きまとう、不安感が常に隣にあるタイプのホラー作品の雰囲気が際立っている舞台設定だが、読み進むに連れてミステリの気配が現れてくる。物語において巧妙に、かつ大胆に隠されたある一点が明るみに出ると、途端に物語が論理的に解けるようになる。しかし、同時に、恐ろしいまでに混沌の色を交えた物語へと姿を変える「ミステリ」であるところに注目したい。最後に明かされる真相は、まさにホラーと本格ミステリの融合。よくもこんな物語に整合性をつけられるものだと、逆説的に感心してしまいたくなるほどの構成なのだが、それゆえに(帯にもあったように)ロジカルなのだが不条理で、読んでいて非情に辛い。ラストシーンの受け止め方は人によって異なるのだろうが、僕は一読して救いがない方向なのだと判断してしまった。辛い。

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「ZOKUDAM」森博嗣、読了。(☆☆☆★)

2007年08月19日 14:29

 森博嗣流、ロボット戦隊モノ。正義の組織と悪の組織。秘密の団体、非営利団体。しかし政府も加入しているのかもしれない…、目的不明、正体不明。森作品に登場する、いつもの(?)ちょっと普通でない面々が本作にも多数登場。一筋縄ではいかない、なんて言葉でひと括りにするのは勿体無い。どいつもこいつも、まったくもう、なにをかいわんや、あにはからんや、にっちもさっちも、なんでもかんでも。何を言っているのか分からない人は取り敢えず一読ください。変な面々ですが、ちょこっとだけロマンスもあります。
 本質を問えば、本作は、森氏の、氾濫する「ロボットもの」に対する分かりやすいパロディであり、深読みすればアンチテーゼとしても機能するのではないか、と真面目に考え込んでしまいたくなるような作品です。森氏本人が工作をするときに考えること、その一端が本作には顕著に現れているように思います。ものを作る際に最も価値があるのは、完成させるための過程にある。ものを作るための思考、計画、製作中の問題への対策、それらを楽しんでいくのが工作であり、完成された作品には、その作品がある、というだけで、それ以上の価値はない。真のクリエータは、完成品の横でいつまでも嬉々としているのではなく、それよりももっと面白く、楽しく、価値のある工作を求めて次の過程に進む。
 そんなことを思い出しつつ読んでいた本書…、しかしこの結末は驚いた。まさか本当に戦わないまま終わってしまうとは思いもしなかったので、こんなところに落とされては白旗を揚げるしかない。いい意味で脱帽です。

「天狗神」夢花李、読了。(☆☆★)

2007年08月19日 14:28

 まだ始まったばかり、という趣。続きは近くあるのだろうか。

「みなみけ・1~2」桜場コハル、読了。(☆☆☆)

2007年08月19日 14:07

 この人はわざとデフォルメさせてキャラクターを描いてるんだろうなあ。割とさっぱりしたページの使い方をする人で、至極見やすい絵柄なのですが、小学生と中学生と高校生と大人の書き分けが時折、曖昧に見えるのです。しかし、ふと、急に、掲載誌相応の大人びた描写が出てきて読者は真顔に戻ると思われます。「漫画」を描くことにそれほど長けている、という感じではないのですが、そういう意味での表現の特性は確実に評価されているのでしょう。或いは、桜場氏、全部分かっていてそういう(登場人物の設定、というディテールを意図して作中に書き込まない)描き方をしているのかもしれないとも思います。そういう意味では実験作なのかも。

(「チアキ可愛いよチアキ」とか書いた方が良かったのだろうか)

「ティンク・ティンク・4」松本花、読了。(☆☆☆★)

2007年08月17日 13:33

 かみさまのにちじょう。そんな感じ。
 癒しのスローワーク。永遠のホリディ。即ちホーリィ・デイ。
 松本氏は兼業でデザイナか何かしてらっしゃるのではないかとつい思ってしまうくらい、素人目に見て独特の凝った構成で漫画を描かれる方だと思うのです。本シリーズは特にその性質が強くて、ちょっとアクが強い絵柄に好き嫌いは分かれると思われるのですが、これほどに日常性の強いゆるーいファンタジーも珍しくて(褒めてます)、何も考えずにのんびり読むことが出来て楽しい。

「QED 河童伝説」高田崇史、読了。(☆☆★+★?)

2007年08月16日 13:46

 河童が住むといわれる川で、手首を切り落とされた遺体が発見される。さらに片腕を切り落とされた別の遺体が川に浮かび、連続殺人事件の様相を呈してくる。事件の真相が明らかになると同時に、河童に隠された悲しい事実が…。

 今回、歴史ミステリ特有(良質なものに限る、ですが)の、大伽藍を崩すようなカタルシスが感じられなかった。高田氏はいつか、「ある説がひらめき、この説をこの説に当てはめたら納得のいく回答を得られた」というようなことを表明していましたが、それが本シリーズでの講義の基本、「騙り(言葉を組み替えて違う言葉を導き出す)」を用いたのであろうことは想像に難くない。
 結局のところ、「河童とは人間だった!」という一言に落ち着いてしまい…、いや、それはそれで論理的に解ける回答であるのでインパクトのある説に納得はしました。でも、コアなシリーズ読者(自分含む)からしてみれば、それはこれまでシリーズで何度も何度も繰り返されてきた「騙り」を今回も適用(流用?)しただけじゃないか、と言われそう。
 現代で起こる事件と過去の「事実」の解釈。その乖離は大きくなるばかり、という声をよく聞きますが、高田氏の脳内ではきっと、歴史ミステリにおける新解釈の講義に重点が置かれ、それに基づいて小説化する際に現代ミステリとしての殺人劇を絡めているのでしょう。それゆえ、本作に関して言えば、本格ミステリとしての作りはどうしても甘いようです。一般人には名前を言うだけでは通じないような薬品を毒殺に用い、「だから犯人は医学関係者」とするのは、推理過程が逆で、アンフェアの匂いがします(手掛かりは幾つかあったようですが)。舞台と関係者がある程度限定されているため、それも仕方ないのだろうか。

「シャドウ」道尾秀介、読了。(☆☆☆☆+★?)

2007年08月16日 13:05

 眠いので雑感。

 うわーこれは非常に不味い結末に向かうのではないか、と、ひーひー言いながら(いや無言でしたが)読み進めていったら、もうまさに最悪の読後感すら想像出来てしまう、「非常に不味い結末」に一直線としか思えない展開になっていって、これはもう救いも何もあったもんじゃないなと思っていたら奇跡の大逆転みたいに驚きの真相が待ち受けていて、うわーこれは非情に巧いことやられたぜーと大喜びしてしまいました。読後感は苦いのですが、救われている。さりげない表現が何重ものミスリードとして機能していて、同時にそれが伏線として機能している。非常に巧いミステリです。

今日の一言

2007年08月15日 15:01

 1ヶ月弱の多忙で、ベスト時より5キロも体重が減っている。

今日の一言

2007年08月15日 13:43

 貴方たちはまだ履き違えたままなのか。
 子供を「叱る」ことと「怒る」こととは、根本的に違うのだ。

「正しく時代に遅れるために」有栖川有栖、読了。(☆☆☆+★?)

2007年08月15日 13:30

 すべての人間は“六段階の距離”でつながっている!? ネット書店で著者がオススメされたものは…? 日々の生活、映画、小説に隠れた謎。作家・有栖川有栖のことがもっとよくわかるエッセイ集。

 綺麗事を言わずに本心を吐露する姿勢に、プロの物書きを見た。
 それは当たり前のことなんですけれど、ある種のエッセイを読んでいて、そうは読めない当たり障りのないことしか書けない物書きが少なくないのです。「少なくないように思う」或いは「多いように思う」と言えない自分のアマチュアッぷりに涙が出てきますが、小説の多くは作者が虚構を描き、クッションを幾つか挟んで読者と対峙する(そこには「作者」という存在は半ば消却されて伝えられる)のに対し、エッセイと呼ばれる文章の多くは、事実(或いは事実に即した思想、主義)を作者が自らの声で読者に投げ掛ける。そこには意図された以外の嘘はあってはならないのが文芸のルールでしょう。それを踏まえての正直な気持ちが、上記の一説。口当たりの良い文体の持ち主である有栖川氏の、時にぶっきらぼうに、時に怒りをあらわにした「口調」と呼び換えてもいいのだろう文章が、すんなりと入ってくる。
 「ただの推理小説作家」ではない、作家、有栖川氏の日常がここにはあり、生き様の一端がここに描かれている一冊。

「ロクメンダイス、」中村九郎、読了。(☆)

2007年08月14日 13:44

 頑張って読みました。
 冒頭から何が書かれているのか(何を描こうとしているのか)分からない…、作者の頭の中では恐らく漠然とではないイメージがあって書かれた物語なのでしょうけれど、頭を真っ白にして読み始めても敷居が高い世界観(?)である一作。読み始めて感じたそんな印象が、ほぼ、そのまま終幕まで続くので、本当に頑張って読みました。
 文章が酷いとか、描写力がないとか、そういう問題ではない。少なくとも、読者に優しいタイプの小説ではない、決して。ミステリだと思って読んでいると肩透かしを食います。というか、あまりに物語が迷走している(ように見えた)ので、何か終盤にとんでもないどんでん返しが(しかも論理的に)起こるのではないかと期待してしまった。
 ありませんでした。
 純愛ラブストーリーを謳うにしては、本来、多感期である少年少女の心情描写が乏し過ぎるし、それが心の病を持った者たちの物語であるという前提を最大限尊重したとしても、一人称語りである主人公を始め、彼らの心の動きがまるで読み取れない。はっきり言ってしまうと、やっぱりこの一言に落ち着いてしまう…、「この話の意味が分からない」。読者として稚拙なのでしょうか、分かりやすさを求めるというのは。或いは、本書がライトノベルよりも単純に文学に近い作りをしているからなのか。
 ミステリとロマンスが売りのこのレーベルにして、「恋をしないと死んでしまう心を持った少年」と「恋をしてしまうと死んでしまう少女」というふたりを描いたこの物語。ふたりの間に恋愛は可能なのか、というテーマだけでも興味をそそられるのですが、正直、本作を未読の読者が思い浮かべるような読後の余韻は得られないでしょう(これはネタバレだろうか)。
 本作がファンタジーかSFか、という見解については、僕は判断を保留します(メモリーカードとか、内的空間を共有している場面とか)。ううん…、この読者を大いに選ぶと思われる難解さは、どうなのだろう。面白い、というか、興味深い描写はところどころに見掛けたのだけれど、全体を通して言えば、正直、面白さは期待出来ません。

おでんぱ☆ラヴガール

2007年08月09日 22:40

 不特定多数に、基本的な質問をふたつだけする。

 毎日朝ごはんを食べている人。
 毎日寝る前に歯を磨いている人。

 何人残った?
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「トリックスターズM」久住四季、読了。(☆☆★)

2007年08月07日 13:57

 雑感。

 あまり盛り上がらなかったなあ…。割とあっさりしていました。
 トリックらしいトリックといえば「被害者探し」と「犯人探し」を同時に行っているところだけれど(これは究極の『名探偵の定め』のひとつで、事件が起きるのを防ぐことこそが名探偵が求められることではないのか、と苦悩する『名探偵』もいるくらいなのです)、未来予知、という魔術(SF? ファンタジー?)を織り込んでいることによって、確定してしまっている未来を動かせるのか、という主題と共に、一風変わったミステリになっています。でも…、ここにはそれほどの意外性は感じられなかった。伏線と真相とのリンクに驚きをミックスさせるには至らなかったからでしょうか。しかるべきところに落ち着いたような真相。いやあ、まさかあの流れで主人公の友人の誰かが殺されるようなことは起きてはならないだろうしなあ。それを突破してしまったら、このシリーズ第一作の捨てトリックのような驚愕を共に出来たかもしれないのに。物語の性質…、というか、この文庫のレーベルの制約として、それは無理なのでしょうか。

「D.Gray-man・11・12」星野桂、読了。(☆☆☆★)

2007年08月07日 13:47

 いつの間にボスラッシュ・エピソードになってしまったのだろう…。多くのバトル漫画にありがちな形だけの傷つき方に提言を唱えているかのような本作の描き方は前々から好感を抱いている僕ですが、うーん。
 悪くないんだけれど、このところどうもページの見せ方を星野氏、研究しているのかなあ、と必死に解釈させるようなバトル描写のテンポの悪さが気になっています。はっきり言うと、そこで何が起きているのか分からない場面が多々。あと、「イノセンスの真の力」みたいなことをやたら連発されると、なんだか反則のような気がしないでもない。
 話の引っ張り方は憎らしいくらいなんですが。

vitas

2007年08月04日 21:54

 歌姫…。
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attack!

2007年08月04日 20:56

 まあ猫でもドウゾ。



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