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「砂漠の薔薇」新堂冬樹、読了。(☆☆☆★+★?)

2007年12月28日 23:51

 読みました。

 我が娘を国立幼稚園に入園させるべく奮闘する母親の話。いわゆる、「お受験戦争」の一幕を描いた物語ですね。…と一言で言ってしまうとなんということもない苦労話みたいになってしまうのですが、これが読者の思わぬ方向へ転がっていくから読むのを止められない。新堂氏の手に掛かると登場人物の苦悩が読んでいてキツい。奇麗事がなくてひたすら生々しい筆致で、元々筆遣いが荒っぽい書き方をさせる人なので、なんとも人間臭い(異臭)ドラマになってしまうから恐ろしいものです。全編に漂う心理的な閉塞感が物凄い。
 本書の梗概にもある通り、これはクライムノベルです。主人公が一線を越える瞬間が唐突にも見えて、ついていくのに一歩遅れてしまった感があります。かなり終盤まで、一体この先どうなるのか、という息苦しい緊張感と共に読み進めていったのですが、最終的な落としどころがいまいちはっきりしなかった感じ。作者が意図的にそうしているのかもしれませんが(そして本書に求められる主人公の求めるものが「救い」と表現させる類のものではないことは承知しているのだけれど)、読後感は決して良くはありませんね。

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「みなみけ・3」桜場コハル、読了。(☆☆☆+★?)

2007年12月23日 17:13

 読みました。

 3巻を読んでいないのに4巻が新刊で出ていたのでつい買ってしまい、読んで満足してそれきりになっていたことに、随分後になって気づいたので、ようやく買いました。トウマが誰なのかはっきりして胸のつかえが降りた気分です(笑)。
 桜場氏の絵柄が個人的に凄く好きなので、もっと長いストーリーが読みたい…。無理な注文だと分かっているのだけれど。背景とか殆ど書き込みがないのを、すっきりとした絵柄だと評価する倒錯した気柄は毛頭ないのだけれど。

「スケッチブック・4」小箱とたん、読了。(☆☆☆+★?)

2007年12月23日 17:07

 読みました。

 フルカラー版(アニメーション)が好調の「スケブ」。
 植物&昆虫トリビアはもういいんじゃないかと正直思う。スローライフを綴った、この世界観に似つかわしいし、ネタとして確かに面白い描き方をしているのだけれど、小箱氏…、「博士」過ぎる。

「D.Gray-man・13」星野桂、読了。(☆☆☆)

2007年12月23日 16:56

 読みました。

 ひたすら「活劇(『バトル』か)なのに鬱展開」で、一般の読者はついていけるのだろうか…。

「少女は踊る暗い闇の中踊る」岡崎隼人、読了。(☆☆★)

2007年12月22日 22:54

 読みました。

 疾走、失踪、また失踪。混沌の中に彷徨う愛情を描いた現代のノワール。
 その勢いで読ませる本…、という言い方をすると簡単過ぎるか。思いの丈を端から端までぶちこんでみたら、こんな話になってしまった、というような、作者の企みが計算というレベルにまでは昇華出来ずに、しかしまともな形を成してしまったために、混沌にはなっていないのに完璧に非日常の世界観を呈してしまっている怖さで出来ている物語、という印象(わざと持って回った言い回しをしてみました)。作中、作者が書きたいテーマが、分かりやすいを通り越して過剰なまでに浮き彫りとなっているために、その言い回しに目を背けたくなる演出が多々あるのです。これは物語の中に込められた必然であるのか、はたまたひたすらに若い主人公の暴走が引き起こした悲劇の産物のひとつであるのか。一種の暗黒劇として本書を捉えることの出来る要因が、その辺りにもあるのかもしれません。

「我が家のお稲荷さま。 ・1」柴村仁・松風水蓮、読了。(☆☆☆)

2007年12月22日 17:18

 読みました。

 原作は未読ですが、案外存外面白かった。
(小説の挿絵の方が漫画化したのだと勘違いして買ってしまった)
 イマドキの少年が「イマドキ」っぽくなくて天真爛漫としていたり、「お稲荷さま」が俺口調で陰陽性に姿を変えられる、というのが読者に媚びてなくてイイですね。書き方によっては暗い雰囲気の物語になりかねないところを、巧くほのぼのとした空気に落とし込んでいるところも好感。

「LIAR GAME・6」甲斐谷忍、読了。(☆☆☆★)

2007年12月22日 16:54

 読みました。

 緻密極まる頭脳戦は、結局のところ対ヨコヤ戦に過ぎなかったようにも思います。頭の中だけで処理出来る情報量とは思えない…、しかして秋山渾身、必殺の一撃が勝利へのシーソーゲームに結びつく辺り、本当に勝負の駆け引きが巧いなあ、と思います。

「片眼の猿」道尾秀介、読了。(☆☆☆★+★?)

2007年12月13日 20:30

 俺は私立探偵。ちょっとした特技のため、この業界では有名人だ。今はある産業スパイについての仕事をしているが、気付けば俺は、とんでもない現場を目撃してしまっていた…。サプライズマジシャンの大技・小技が冴えわたる!

 読みました。
 なんだか変な話のようだなあ、というのが読み始めてみて最初に感じた正直な印象。そしてその「変な感じ」を抱えたまま読み進めていくと、思わぬタイミングで強烈な一撃を食らわされて、ビックリ。確かに「変な感じ」という印象は間違っていなかったけれども、その正体を知ってなおも「変な感じ」と思うこと、そのものに違和感を禁じ得ない。あっけらかんとしたトーンが時折見える作中、明らかにダークな色合いが透けて見えるのも悪くない。しかもそれがミスディレクションとして機能しているのだから素晴らしい。
 縦横無尽に、そして大胆に張られた伏線。幾つもの仕掛けが施された本書は、プロットがメインのミステリではありますが、それらを完璧に見逃して、ラストで絶句した僕は、作者にとって最高に都合の良い読者です。冒頭に出てくる犬の話のせいで、田端冬絵はサングラスの下に大きな目を持つ女性であり、そして、この話は耳が極度に大きい主人公の超能力的聴覚を用いた探偵物語なのではとあまりに初歩的な先入観を与えられてしまった僕は、「ミステリを読み慣れた」などと安易に口にしていいものなのかどうか。読み終えてみたら、、その辺りを踏まえ、マトモな作りをしていて、道尾氏はそういう、ねじくれた現代劇を描くのが巧いなあ、とつくづく思いました。

「Rのつく月は気をつけよう」石持浅海、読了。(☆☆☆★)

2007年12月10日 20:28

 湯浅夏美と長江高明、熊井渚は大学時代からの呑み仲間。毎回誰かが連れてくるゲストは、定番の飲み会にアクセントをつける格好のネタ元だ。酔いもまわったところで盛り上がるのは恋愛話で――。小粋なミステリー連作短編集。

 読みました。
 日常形ミステリの連作短編集。収まりの良過ぎるラストに感服。

「心臓と左手」石持浅海、読了。(☆☆☆★+★?)

2007年12月08日 20:06

 11年前に起こったハイジャック事件の人質だった聖子は、小学6年生となり、那覇空港で命の恩人と再会を果たす。そこで明かされる思わぬ事実とは…。「月の扉」事件のその後を描く。座間味くんが活躍する7編を収録。

 読みました。
 非常にロジカルな短編集で、ミステリのテーマとしても割と珍しい設定を生かした話が多く、楽しませて頂きました。食事のシーンが多いのは同時期発行の「Rのつく月は気をつけよう」を続けて読ませるための愚行だろうかと思案…(笑)。
 最後の一編は必要だったのだろうかと思わないでもない。

今日の一言

2007年12月07日 22:05

 「友人」が「仲間」であることは多々あるが、
 「仲間」が全て「友人」とは限らない。

「バスジャック」三崎亜記、読了。(☆☆☆★)

2007年12月05日 19:50

 あの『となり町戦争』に続く衝撃作!
 話題のデビュー作に続く注目の第2作。バスジャックブームの昨今、人々はこの新種の娯楽を求めて高速バスに殺到するが…。表題作他、奇想あり抒情ありの多彩な筆致で描いた全7編を収録。

 短編集ですが、掌編と中編も混じっています。「となり町戦争」を読み出したときにも思ったのですが、三崎氏は…、こんな話有り得ない、と一言に切って捨てることが出来ない、奇妙な味わいのある世界を描くのが巧い人だと思います。表題作の「バスジャック」に明らかなように、バスジャックが日本全国でブームになって法的に整備されるだなんて絶対に有り得ない。でもその有り得なさを内包したまま、それが有り得てしまう…、当たり前になっている世界をひとつ、ぽんと提示してみせてしまう。読者はそれを読んで、やっぱりそんなこと有り得ないよ、と思いながらも、ギリギリのラインでジレンマを忘れつつ、物語を楽しむことが出来る。奇想、という言葉、そのままですね。形にして見せてしまったら、もう作者の勝ちなのです。
 「この設定を思いついただけで本が一冊書ける」ようなアイデアが惜しげもなく使われている。本当、どの短編も、そのアイデアを広げた長編を読んでみたいと思わせるような作りで、「設定」を見せつくしてしまわないところがまた良い。確信的な描写を意図的に行わないことで、読者の想像が入る余地を残しているところも心憎いです。
 それゆえに、個人的には、抒情詩のようなふたつの掌編が他の作品と比べて本書の中で浮いてしまっているような感覚があって、それが違和感として残ってしまったために、一冊の短編集として捉えるには難しくなってしまっているような気がするのですが、どうなのだろう…、三崎氏の描く奇妙な世界のヴァリエーションとして見ていいのだろうか。

にこにこ

2007年12月03日 23:52

 凄い、もう頭おかしくなりそう。PG12でお願いします。
[にこにこ]の続きを読む

「キラレ×キラレ」森博嗣、読了。(☆☆★)

2007年12月01日 20:48

 満員電車の車内で、30代の女性がナイフのようなもので襲われる事件が連続する。「探偵」鷹知祐一朗と小川令子は被害者が同じクリニックに通う事実をつきとめるが、その矢先、新たな事件が発生し、殺人事件へと発展する――。

 森博嗣流の「Xの悲劇」かしら、ミッシングリンクものかしら、ちょっとと期待して読み進めたら、なんだか「本格ミステリ」っぽくはないようにも見える、地道な探偵小説でした、という読後感。被害者の共通点は梗概にあるようにあっさり明かされてしまうので、謎が物語を構成する「本格ミステリ」と比べたら牽引力が弱いですね(意外な動機とやらも、判明したわけではないし…)。あまりにマトモな探偵小説で、森氏は最近、こういうのに凝っているのかと勘繰ってしまいたくなる。
 今回、探偵助手の小川令子が真犯人と対峙する場面で、妙な緊迫感が感じられました。もしや犯人と小川の視点の入れ替わりが行われているのでは…、つまり、犯人は小川令子だったのだ、なんていう禁じ手が発動するのではないかとヒヤヒヤしてしまったのです。そんなことはない、というか有り得ない展開だったのですが、それくらい、なんだか不安定さが漂うシリーズだということには変わりないな、というのが僕の印象。
 前作「イナイ×イナイ」を読んだときに思ったことをまた書くのですが、Xシリーズは「アンチ探偵」が裏テーマになっているような感じがします(必然的に登場する犯人と探偵が、真相を看破する者とされる者、という立場での登場を明確にしていない)。それゆえに、物語はミステリの形態を採っているのに、ミステリを読み慣れた人ほど、読後感がすっきりしない。事件は解決しても謎は完全に(実は殆ど?)解かれない、という、はっきり言ってしまうとミステリ読みには鈍い苦痛があるのです。加えて、どうも森氏が意識的にやっているとしか思えない、物語の軽さがどうも引っ掛かります。Gシリーズよりは読みやすいですけれど(やはり登場人物の会話の軽妙さ所以か)間違いなくGシリーズと交差している、本シリーズの正確な位置づけが気に掛かるところですが…、さて、何処へ向かうか。まあ、向かうべきところへ向かうのでしょうけれど、そのプロセスが楽しみです。

「MORILOG ACADEMY・7」森博嗣、読了。(☆☆☆☆)

2007年12月01日 20:44

 安定した読み応えで、不満ありません。まだまだ続く。
 森氏もちょっと昔と考え方が変わってきているのかなあ、と思う。独立した自分の思考をする人だというのは変わりませんが、世間に対し、社会に対し、精一杯の(最低限の)譲歩が見られるような気もする。気のせいかもしれない。



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