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頭に花

2011年03月30日 20:08

■「お花見行こうよ!」
「ふたりとも花粉症なのに?」
「…じゃあ家でする」
「頭にお花が咲いてる人ってこと? おめでてぇなってこと?」
「頭にお花がポポポポーン!」
 みたいな阿呆な会話をし始めたらもう春ですね。

■最善の努力をしても最高の結果に至るとは限らない。
 同じように、最高の結果を目指したとしてもそれが最善の方法でなければいけないわけではない。

■「『処女作』の殆どって、『生まれて初めて作りました』ではなくて、『生まれて初めて世に出ました』という、言葉の正しい意味をそのまま示していると思うのですが如何か」
「いや、如何かって…、そのまんまなんじゃない?」

■ある人と、
「不謹慎とか自粛とか言いすぎるのは不謹慎だから自粛しようかな…」
「こんなご時世にそんな面白コメントは不謹慎だ。自粛しろ」
「申し訳ありません。不謹慎でしたので自粛します」
 みたいなことをツイッターで言い合った。後者が僕。ネタ振りのつもりだったけれど、変な空気、変な流れになったら怖いので、
「すみません、僕も自粛します」
 と謝っておきました。相手はちゃんと全部分かってくれていたみたいで安堵しましたが。
 なんでもかんでも「不謹慎なので自粛」というムードを単純に面白がっている人も多いけれど、こういう言葉の使い方、言葉の発し方に敏感になっている人も多そうだから、ちょっとだけ気をつける必要があるのかなあ、と敏感になってみる。
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【◎】「狼と香辛料・16」支倉凍砂

2011年03月30日 20:04

 鉱物商・デバウ商会によって新貨幣が発行され、自由と希望の町となるレスコ。ロレンスはその町で、ホロと共に店を持つことを決める。しかしその矢先、ホロとロレンスの前にコルの頭陀袋を持った人物が現れ、二人はデバウ商会の内部分裂による大きな事件に巻き込まれることとなってしまう。ホロは、禁書を得るためコルとエルサを追ってキッシェンへ。ロレンスは、デバウ商会に追われミューリ傭兵団とともに雪山を越えることになる。バラバラになってしまった二人の運命は―?行商人ロレンスと賢狼ホロの旅を描く新感覚ファンタジー、ついに本編感動のフィナーレ。

 ということで、読みました。
 上下巻にての刊行となった最終章。知的戦略とは、果たして武力を用いた物理的な戦争でのみ用いられる言葉ではない、ということを良くも悪くも畳み掛けるように突きつけ続ける、商人たちの戦い。口先三寸だけで誰もが儲かり、喜び、幸せになると思ったら大間違い。誰もが知っているだけに人生を賭けねばならないほど難しいものなのだ。
 「もうストレートにハッピーエンドにしちゃえばいいじゃん」と上巻を読んだときに単純に思ったのですが、そんな安易なロジックが通用するはずもなく。まさかの「丸ごと一冊エピローグ」を楽しみに待ちます。


すいっとぅる

2011年03月28日 21:21

■なかなか日常を気軽に、何も考えずに書くには、なんとも誰もが思うことをそのまま書くしかないような、或いは善人ぶって綺麗事を呟くしかないような、そんなオリジナリティのないことを書いてもなあ、という日々です。
 水の蓄えはいろはすのミカン水くらいしかないですが、今のところ、困らないです。
 でも防災用の、いわゆる非常用持ち出し袋をリュックひとつで作って、車のラゲッジスペースに置いておくことにしました。当分の心構えとして、最低限一日分何処でも過ごせるように、着替えとかタオルとか水とかビスケットとか。
 スーパーを見て回ると、レトルト食品とかカップ麺とか買い占められてるのに、カロリーメイトとかスポーツドリンクとか、棚にごっそり残ってて笑った。被災した瞬間から一夜、或いは二三日を過ごすとき、電気ガス水道が止まった際の、フェールセーフとしての栄養源とか気が回らないんだろうか、皆。

■ところでコレ凄いよ!(下の動画はニコ動の技術部の方ですが)
 オリジナルのマシン作った古川機工さん、凄いですよ!

【△】「密室の如き籠るもの」三津田信三

2011年03月26日 21:06

 猪丸家に突然、謎の女が現れる。その名は、葦子。狐狗狸さんのお告げを伝える彼女が後妻に来てから、何かがおかしい…。そんなある日、屋敷の二階で密室殺人が起きた。惨事の元凶は狐狗狸さんなのか、はたまた…。旧家をおそった凄惨な事件を、刀城言耶が解明する(「密室の如き籠るもの」)。表題作ほか、全4 編収録。

 ということで、読みました。
 刀城言耶シリーズ。このシリーズは長短編に関係なく、まず怪異パートが全編の半分くらいを占めて、じっくりと読者を現実から異界へと乖離させることから始まる。そうして如何にも「この世には不思議なことが起こるものなのだ」という前提を突きつけておいて、その後でやはり普通に考えたら現実的ではない怪異にしか思えない事件の様子が展開する。読者は不思議と、それが「それはこの世ならざるものの仕業なのだ」と言われても納得してしまうような酩酊状態にある。最終的に論理的、端的な解明がされると、憑き物が落ちたような顔をするのだ。
 そんな魅惑的な魅力を秘めた刀城言耶シリーズなのですが、本書に限って言えば、僕は楽しめませんでした。なんだか中途半端な印象を受けたのが正直なところで、まるで「怪異の紹介」をそらんじられたような雰囲気が本書の中短編から感じられたのですが、これは気のせいなのか…。幾つかの長編から受けた、空恐ろしいほどの驚愕は、ミステリとしても怪異譚としても素晴らしいものがあっただけに、この物足りなさは、ちと、空虚。


【◎】「みなみけ・8」桜場コハル

2011年03月23日 21:32

 まったり、ゆったり、のんびりと・・・・。南さんち3姉妹の日常を淡々と描いているうちにもう第8巻に突入しちゃった。単行本の累計も330万部を突破! これも皆さんのおかげです。今回は食べ物ネタあり、恋愛ネタあり、学園ネタありのゆるゆるエピソードが19本。月刊ヤングマガジンに掲載された放課後編も収録されています

 ということで、読みました。
 相変わらず…、というか、この話のトーンというかペースというか…、変わってしまっては全く違う話になってしまうのだが、このゆるゆる感はいつまで経っても面白い。何も考えずに面白がれる。日々の中のほんのちょっとした面白さが少しのページの中に少しずつ抽出されているのがこのシリーズなのだろうけれど、作者が無理に狙って読者を笑わそうと思ってはいないのではないかと、本書はある意味で無償のコメディ(そう、ギャグではなくてコメディだ)が描かれているのではなかろうかと、ふむふむと考えてしまった。
 そうめんの話は大好き。「麦茶とめんつゆ」のギャグは誰もが知るところだけれど、その一歩上をついに踏み出した桜場氏には喝采の嵐が送られてもいいと確信した。


【○】「新クロサギ・9」黒丸・夏原武

2011年03月22日 21:32

 黒崎がついに宝条帝国に切り込む、最新刊。
 6年前に「導入詐欺」で黒崎の父親にとどめを刺した、ひまわり銀行本店管理部門次長・宝条を喰うために動き出した黒崎。ひまわり銀行・全国有力支店の支店長を宝条が束ねた「宝条グループ」なるものの存在を調べながらも、「ローン詐欺」を行う首都中央支店に狙いを定めた黒崎がついに、宝条帝国に突き進む…!!

 ということで、読みました。
 新章突入、しつつあり、と考えてもいいのでしょうか。再び大物を狙うためにウォーミングアップに余念がない、そんな印象を受けながらシロサギを食らい続けるクロサギの姿をこっそりと眺めておりました。快刀乱麻、なんて言葉は似つかわしくはないのですが、それでも事鮮やかな手並みでもって社会悪を切って捨てる、しかし同じ社会悪である存在であるところの黒崎。奴は世に必要とされる義賊か?
 ただの自己満足の延長に過ぎないのか?
 他人を信じることの危険さをひたすらに説いているこの物語の中で、黒崎は自己の外側に光明を得るのか?


【○】「名探偵音野順の事件簿・2」北山 猛邦・山本小鉄子

2011年03月20日 21:22

 読みました。
 若き物理トリックの鬼、北山猛邦氏の「名探偵」シリーズ。ひ弱で気弱な引きこもり、事件を解決するための原動力は「早く家に帰りたい…」。やる気はなくとも理性が正しい道を照らし出し導き始める。実に現代的でウィットに富んだリアリズムに欠けた、しかしリアリストであるほどにリアリティを見出したくなるコミカルさ、大好きです。
 本当は半分くらいイライラしながらその言動を見守っているのですが、それでも頑張れ、音野順。いや、頑張らなくてもいいから真相だけ教えてくれ、音野順。


063

2011年03月20日 00:01

月が消えた。
衆人環視の下、地球の空から、見事に消えてみせたのだ。
月は地球の衛星であり、客体物である
月が消えるためには、何者かの何らかの手段が必要である。

犯人の正体、そして、
月をこの空から消した方法、更には、
月を消したことのそもそもの動機を答えよ。(10点)

ただし、「貴方、後ろ向いてますよ」という類の回答は誤りとする。
更に、「昼間だったので月は見えなかった」という類の回答は誤りとする。
なお、月が消えた当日の天気は晴れであるとする。
また、月を消した人物は単独であるとは限らない。
そして、地球の衛星であるところの月は、ひとつしか存在しないものとする。

喜ばれるべき中止

2011年03月19日 21:34

 笑顔の少ない一週間だったような気がします。震災による直接の被害の様子も勿論なのですが、連日報じられる福島の原子力発電所の事故の様子が全く、尋常でない。ここでもネット社会の弊害が出てきていて、いわゆる「日本終了のお知らせ」が毎日のように飛び交っていますね。一体どれが正しい情報なのか取捨選択が難しいことを思い知らされました。自分だけを信じることは、はっきり言って無理である。マスメディアの情報を信じる限り、どうも一息ついてもいいようです。「震災の被害」は広がるばかりなので、楽観している人はいないのでしょうけれど。
 前後して茨城にガソリンとか届けに行こうという話が進んでいたのですが、今日、確認を取ったところ、割と大丈夫だとのこと(1週間分くらい備蓄あるみたい)なので中止になりました。大好きな大洗の水族館とか無事か心配です。つくば市だって当初は避難生活になりそうだったんだよ! 北東端の地域ばかりが震災地じゃない、茨城や千葉のことも忘れないで下さい、という1週間でしたが如何お過ごしでしょう、西日本の人。
 山梨のガソリンスタンドにも大型のローリーが入ってきているみたいなので、そろそろ落ち着いてくるのかな、というところ。電池とか莫迦売れですが使い道があるのですか? どうせ皆、普段は乗らないのに取り敢えず満タンにして満足したいだけなんでしょう?(この発言に悪意はありません)
 そんなわけで多少気負った気持ちがしぼんで落ち着いてしまったので、静かな休日。

 グランドクロスクロニクルをプレイしてきましたよ。SJP1400ゲット。
 あと、「ソウ・ザ・ファイナル」観ました。感想はロードショーで観たとき書いたので割愛。


【◎】「こどものじかん・9」私屋カヲル

2011年03月18日 21:43

 5年生になった九重りんは、だんだんオトナに!? りんは、エロサイトを見ていることをレイジから怒られ、逆にレイジはおっぱいパブに行ったことをりんから責められる。仲違いする二人を助けるため、青木先生が九重家で同居することに? 禁断のラブコメがますます過激に!?

 ということで、読みました。
 次第に「大人」と「子供」の境界線が曖昧になっていくのが面白いですね。相変わらず子供サイドは逆セクハラが加速していって何処まで行ってしまうのか分からない可笑しさ…、というか、本当に大丈夫か?
 教育者としての立場と保護者としての立場に挟まれる大人の立場は如何なるものが正しいのか。そんな真面目に考えれば考えるほど綺麗事しか浮かんでこないような位置に立たされているのが、お人よし過ぎる若人であるところの青木先生なんだなあ、と再認識させられる巻でした。そこまでいち生徒に対して大真面目に考えちゃってどうするの、という冷めた視線で本書を読んでしまう人も多いと思うのですが、それが教師としての熱さであるのか、それとも家族とか男女とかの垣根を越えての愛情の表現方法と捉えて良いものなのか。はてさて。


輪番停電

2011年03月17日 21:24

 仕事から帰ってきたら、停電になった。18時半から21時半の3時間。
 ロウソクが立ったテーブル。本も読めない。
 停電になる前に用意してもらっていたゴハンを食べた。暖かい。
 そうか、炊飯さえしておけば水もガスも使えるから料理は可能なのか。
 その後はやることがない。暗いし。
 思いついた。DSを取り出して、ゲームをして過ごした。マザー2である。懐かしい。
 足元には湯たんぽが入ったコタツ、ほんのりと暖かい。でも、寒い。
 切なくなってくる。何をしているのか。
 被災地から遠いからといって、他人面は出来ない。
 東日本、皆で協力し合って生きている。
 西日本からの支援も沢山ある。
 日本全国、同じ顔をして朝を迎えている。
 日本全国、様々な顔をして夜を迎えている。
 どうなるのだろう。
 花粉症は酷いし(無理矢理鼻炎薬で抑えている)。
 口内炎は治らないし(ビタミン摂らないからだ)。
 胃痛はするし(僕としては珍しい)。
 散々な今日この頃だけれど、自由が利く身の上があるのだから健康で文化的な生活をしようとなんとなく思った。
 電気が点いたので、読書をした。多分、幸せである。

うまれてきておめでとうございますの日

2011年03月16日 21:04

 やっと色々落ち着いてきたので、更新出来るかな、更新出来るかも、といった心境。

 ショートショートを書くには、思考回路の切り替えが必要なんだな、と最近、とみに思うのですが、どうすればその切り替えが出来るのだろうか、ということに関しては、僕はまるで素人なので自発的にそれをするには知恵が足りないようなのです。なんだかキーボードを打つのも下手糞になったし、頭に浮かんだことをアウトプットするのが下手になったのか、それとも何も考えられなくなっているのか、それすらも分かりません。
 しかし誰だかが言ったかもしれませんが、まずは自分が何かについて知っているのか知らないのか、分かっているのか分からないのかを知覚することによって、ただ、なんとなくそのときそのときを刹那的に過ごしている者よりはアドヴァンテージを得ることが出来る。つまりは自分が何をするべきなのか、という指標が得られているのだ、という強みがある分、まだマシなのかな、と思わないでもないです。別に何も考えずに生きていられるのなら、アドヴァンテージも何もないのですが、まあ、そんなことは些細な問題。僕は元々、ペシミスト気取りの、ただの嘘つきオプティミストですので。

 そんな感じです。グダグダしているうちに、生まれて初めて30歳になりました。

3日後

2011年03月14日 21:19

 東北大震災、発生から3日。
 幸いにして被害らしい被害がない我が家は、ネット社会の情報の錯綜が激しいことに憤りと怯えを感じながら日々を過ごしています。天災と人災が常に飛び交っていることがとても怖い。また、「地震に関する情報」以外の情報が体感的に手に取りにくい昨今となっていますね。自分自身に本当に必要な情報を取捨選択する余裕を持たなければマトモではいられない、とひしひしと思うのでした。ある程度の情報の意識的なシャットアウトはしてしまっても構わないのでは、と考えたほど。
 ちょっと自分の立ち位置を落ち着いて考えるための戒めの言葉、「不要不急」。

 嫁さんの実家が茨城ですが、物資が足りないらしくて何か出来ないかと検討中。
 山梨でもガソリンとか米とかパンとかカップ麺とかの買占めが起きていて阿呆かと思います。
 今更そんなことじゃあ、震災の対策を誰もしていなかったということじゃないか。
 オイルショックでも起こるのかという慌てっぷり。日本の物流はそんなに遅くはないと思うぞ。
 ただし日本の「生産」の拠点は…、東北らしいよ。

【○】「凶鳥の如き忌むもの」三津田信三

2011年03月13日 20:54

 怪異譚を求め日本中をたずねる小説家・刀城言耶は瀬戸内にある鳥坏島の秘儀を取材しに行く。島の断崖絶壁の上に造られた拝殿で執り行われる“鳥人の儀”とは何か?儀礼中に消える巫女!大鳥様の奇跡か?はたまた鳥女と呼ばれる化け物の仕業なのか?本格ミステリーと民俗ホラーを融合させた高密度推理小説。

 孤島が舞台の、二重三重の密室状況。これほどガチガチの舞台設定では、それこそ超常現象、怪奇現象の類でなければその過程を説明出来まい、と思ってしまうような、聖域からの人体消失現象。その謎一本で、何処までも引っ張る。ミステリとしての論理的な解決が、そのまま、これはやはり「ミステリとホラーの融合」に結びついてしまうのだろうなあ。想像するだに、怖い。その現象が成立する絵姿もそうだし、それを起こさんとする巫女の心情を思うと、もう、普通ではいられない(普通のミステリであれば姿を消す、というだけであるのに、本作に限って言えば、バカミスかというギリギリのトリック。その場にいながらにして「生者としての」姿を消すのであるから余計に怖い)。
 最後の最後まで、それでも気を抜けないのは、やはりこのシリーズ。


1週間後に書いています

2011年03月11日 23:58

 記録はしておいた方がいいと思ったので、書いておく。

 その時間は、クルマで移動していました。
 やたら横風が強くてハンドルを取られるなあ、と思っていたら、道沿いの電線が物凄くたわんで揺れている。
 なんだなんだと思いながら車を止めて降り立つと、地面がぐらぐら揺れている。
 なんだこれは。
 まだ揺れてる。
 まだ…、揺れてる。尋常じゃない。
 クルマに戻ると、ラジオが大地震が起きたと伝えている。
 ついに山梨にも大地震かよ、と思っていたら、そうじゃない。東北じゃないか。
 東北で地震が起きたのに、この揺れ方か。震源はとんでもないな。
 そんな感じでした。

 あとはもう、日本人であれば忘れることは出来ないであろう、「3・11」。

【◎◎】「首無の如き祟るもの」三津田信三

2011年03月06日 20:50

 奥多摩の山村、媛首村。淡首様や首無の化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地である。三つに分かれた旧家、秘守一族、その一守家の双児の十三夜参りの日から惨劇は始まった。戦中戦後に跨る首無し殺人の謎。驚愕のどんでん返し。本格ミステリとホラーの魅力が鮮やかに迫る。「刀城言耶」シリーズ傑作長編。

 ということで、読みました。面白かった!
 怪奇幻想的ですらある、現実感が危ういところで踏み止まる舞台装置の魅力はこのシリーズありき。そして、首無村の、首無様の祟りによる、連続首無殺人事件。犯人は何処から現れ、何処へ消えたのか。拭えない違和感が読み進める中で幾度も感じられるのに、どう考えても不可能犯罪、という絶妙なバランスだと思います。ほんのひとつのことに気づくと、連鎖的に、実に論理的に全ての事件の真相が見えてくるという構成には舌を巻いた(あの人は男ではないのではないのか、となんとなく分かってしまうのに、それだけでは解けない複雑な謎である)。物凄いトリック。
 終盤の畳み掛けるような推理パートも興奮しっぱなしでしたが、ラストも巧い。


062

2011年03月03日 00:01

「3月3日ですか」
「我々、男には用のない日ですな」
「女の子の祭りですからな」
「まあ、我々には5月5日がありますからな」
「そうですな。もうしばし、待つことにしましょうか」
「そうですな。のんびりと釣りでもして」
「それは、まさか、もしや」
「まさかの、もしやですよ」
「暇だから、ですか」
「暇だから、ですよ」
「はっはっは」
「はっはっは」

061

2011年03月02日 00:01

「ただいまー。今日のゴハンなに?」
 コートを脱ぎながらキッチンに立つ相方に訊くと、
「トースト」
 短い返事がきた。
「トースト?」
「そう。フレンチトースト」
「なんだよそれ。マジで?」
 夕飯には似つかわしくない単語に面食らう。それはブレックファーストに食うものではないのか。
「マジ。美味しいよ」
 しかしどうやら相方は本気でフレントトーストを作っているらしい。バターと卵、牛乳か。なにやら香ばしい匂いが漂う。嫌いではないが、しかし、夕飯にトースト。
「なんなんだよ。ちゃんとしたゴハン作ってくれよ」
 つい不貞腐れたような声を出してしまったらしい、相方は振り返って眉をひそめた。
「ちゃんとしたのって、なに? ちゃんとしないゴハンなんか作るわけないじゃない」
「いや、あの、だって、お前…」
 あまりにもマトモな返事に、何も言えなくなってしまう。
「だってじゃないの。黙って待ってなさい」
 渋々、黙って待った。
 やがて出てきたのは、なんだか滅茶苦茶美味そうなフレンチトーストだった。カリカリのベーコンとレタスとポテトのサラダ付き。本当に、如何にも朝食然とした夕食だったのだが、なんとも不覚というか、驚くべきことにというか、美味かったのである。フレンチトースト。
「作るのに24時間掛かるんだからね、これ」
 そんなことを言ってレシピを教えてくれたのだが、乳液にパンを表と裏、それぞれ12時間ずつ浸すことが仕込だというその調理法には目から鱗が落ちた。もしかしたら、これまでに食べた手作りの食べ物の中で、最も時間を掛けてじっくりと作られたものであったかもしれない、と感動してみせたら、
「喜び過ぎ!」
 と叩かれた。
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060

2011年03月01日 00:01

歯が痛くても一人
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