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【◎】「名探偵音野順の事件簿 4」北山猛邦・山本小鉄子

2012年06月30日 21:40

 読みました。
 世界最弱の名探偵と評される(酷い!)名探偵の推理譚、その漫画版、ひとまずの最終巻。
 原作でも好きな「一言も発することなく犯人を指摘してみせる」ウルトラCがバッチリ炸裂していて、可笑しいやら感心するやら。ストレートな物理トリックと、「おお、あれが伏線だったのか」と唸らされる欺きのトリックがたっぷりで楽しかったです。ちょっとあっさりし過ぎているように思うのは多くの読者と同じ。登場人物のコミカルさと、生々しい物理トリックが売りですものね。でも物足りない! 原作に新刊が出たら、再開されることを願っております。


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【○】「あまんちゅ! 4」天野こずえ

2012年06月30日 21:21

 読みました。
 ダイバー見習いのお話だと思って読み始めていると、ちょっと物足りない第4巻。しかし天野氏お得意の「大人未満子供以上」の子たちの「自分たちが生きるこの世界の楽しみ方」口伝、みたいなものは毎回あって、そういう綺麗な世界の眺め方、捉え方のバリエーションが見事ですね。ぴかりのポジティブさ、アグレッシブさは一朝一夕…、一長一短…、あの性格に支えられるものは多いのだろうな。
 後半では「ARIA」で培った「水」の描写もたっぷりで、丁度作中は夏休みに入るところということで、夏の時期に読むにはぴったりの漫画です。


【○】「D.Gray-man 23」星野桂

2012年06月28日 21:19

 「14番目」を知るため、教団を離脱し行方を晦ませたアレン!! ノアと教団、そしてアポクリフォスから追われる身になったアレンの行く先とは!? 一方、戦いの呪縛から逃れたはずの神田が教団に帰還し、再び六幻を手にする…!

 ということで、読みました。
 ひじょーに話がややこしくなって久しく、物語の吸引力として提示するためには、どうも大風呂敷というか、思わせ振りのまま長いこと引っ張り続けている「十四番目」が何のことなのか、そればかりを気掛かりに惰性で読み続けています。使徒とノアの狭間で揺れ動くアレンの心…、もうユダのことでいいじゃん、みたいな個人的解釈。
 さて、神田ユウが話の表舞台にでずっぱりでファンサービスのようですね。散ってこそ花、と解釈してたのだけど。
 あと、ジョニーの(一般人代表みたいな)レギュラーっぷりは笑ってしまっていいのだろうか…。


【△】「運命のボタン」鑑賞。

2012年06月28日 21:17

 ある日の明け方、ノーマとアーサー夫妻のもとに見覚えのない箱が届いた。箱の中には赤いボタン付きの装置が入っていた。その日の夕方、スチュワートと名乗る謎の人物がノーマを訪ね、驚くべき提案をする。「このボタンを押せば、あなたは1億円を受け取る。ただし見知らぬ誰かが死ぬ…」。ノーマとアーサーは道徳的ジレンマに陥るものの、生活が苦しいこともあり、結局ボタンを押してしまう。が、それは想像を遥かに超えた事態の始まりだった。果たして2人の運命は!?

 プロットを読んで、これは案外面白そうだと思って観ました。
 「押すか押さないか、葛藤の24時間」みたいな話だと思っていたら、全然そうじゃありませんでした(いや、葛藤の24時間はあったはずなんですが)。なんだか色々なかったことになっているような。中盤までは、メインプロットは面白かったです。ラストへ導く脚本は、面白いというか…、サスペンスだと思って観ていたら、いつのまにかSFになっていたというか。
 原題は「ボタン」ではなく、「箱」なんですね。時代設定やら哲学やらで懲り過ぎて分かりにくくなっている感じです。


【○】「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」荒木飛呂彦

2012年06月27日 21:14

 荒木飛呂彦がこよなく愛するホラー作品の数々は、『ジョジョの奇妙な冒険』をはじめ、自身が描いた漫画作品へ大きな影響を与えている。本書ではそんな著者が、自身の創作との関係も交えながら、時には作家、そして時には絵描きの視点から作品を分析し、独自のホラー映画論を展開する。巻頭には「荒木飛呂彦が選ぶホラー映画 Best20」も収録。ホラー映画には一家言ある著者の、1970年代以降のモダンホラー映画を題材とした偏愛的映画論!

 ということで、読みました。
 荒木飛呂彦氏の「文筆」が新書で読める! というだけでファンとしては一大イベントのように心が盛り上がってしまうのですが、しかも大真面目に論じたホラー映画論をまとめたものとあっては、これは面白くないわけがなかろうと期待もしてしまうのです。はたして本書は、いわゆるモダンホラーと呼ばれるここ20年来のホラー映画を主要に、その特色と見所、ジャンルの分類に先駆けて「ホラー映画」そのもののあり様とでも形容出来そうな本質にも切り込んでいく。素人も玄人も頷ける言質は読みやすく、また素直で率直な「ホラー論」です。「荒木飛呂彦・2時間講演」みたいな感じでした。


【△】「夜は短し歩けよ乙女 1」森見登美彦・琴音らんまる

2012年06月27日 21:12

 読みました。
 原作の持つファンタジーさが冒頭から滲み出ているコミック版。という感じが致します。すっごく、こう、ほんわかしている。先輩はずっと必死なんだけど報われる気配がないし、後輩乙女は、こう、ずっとほんわかしているし。原作に沿った話の運びですが、漫画版オリジナルの話も多く織り込まれていくみたいで原作が好きな人には新しい楽しみになるのではと思います。何故だろう、個人的にはそんなに面白がれなかったのだけど…。酒飲み対決のシーンなどは、もっとじっくり見たかった。
 森見氏の原作者後書きが如何にもという感じで面白かった…。


【◎】「ザ・シンプソンズ MOVIE」

2012年06月27日 21:09

 アメリカの田舎町、スプリングフィールド。シンプソン一家のダメ親父ホーマーは、息子のバートに「素っ裸でスケボーに乗ってバーガーショップまで行ってこい」とけしかけ、このせいでバートはさんざんな目に。一方、優等生の長女リサは湖の汚染に心を痛め、環境保護運動に熱中。やがてホーマーはバーガーショップで助けたブタをペットとして飼い始め、一風変わった愛情を注ぐようになる。ところが! ホーマーのある行動から、スプリングフィールドは絶対絶命の危機に陥ってしまう! 町の人々の怒りを買ったホーマーは、家族と共にアラスカに逃亡。しかし愛情深い妻のマージも今度ばかりはあきれ果て、ホーマーを残して子供たちと町を救出に向かうことを決意する……。

 アニメの方もたまにしか見たことないくらいで、正直、「面白いと思うけど嫌いなタイプのアニメ」だと思っていたのに、「絶対オススメ」と大プッシュされたのでなんとなく見始めたはずだったのに、あまりの面白さにのめり込むようにして見てしまい、見終わった瞬間に再度見返すところだった…、危ない危ない。子供よりも大人が見た方が面白いんじゃないかと思う。細かいところで本当にニヤニヤしてしまう。作り込みというか、製作のお遊びなのか、何処まで真剣にやっているのか分からないけれど…。毒の強いアメリカアニメも割と好きですよ。


【○】「伊藤さん―秋★枝短編集」秋★枝

2012年06月25日 21:07

 東方の同人活動や公式コミックで注目を集め、オリジナル作品の連載でも人気を博す秋★枝、初の短編集! 自身のサイトで発表してきた短編連作を大幅加筆修正し、描き下ろしの新作も加えました。その他、商業誌デビュー作や同人誌掲載作、さらにこのコミックス用の完全描き下ろし作品を収録した、ファン必携の一冊です。

 ということで、読みました。
 そうなのかなー、となんとなく思っていたけれど、ああ、やっぱり秋枝氏、メガネスキーだったのね。眼鏡が似合う女の人って素敵ですよねー。はてさて。初短編集ということで、長短色々なお話を収録。基本的に読んでいて辛くなるようなものはないにせよ、所々で胸に訴えかけてくる率直な描写があったりして、巧いなあ、と思う。ラブストーリーを「安心して読める」というのは読者としては甘えた態度だと分かっているのだけれど、物語を手元に抱えるときにたまには安らぎというか、安寧も欲しくなるものです。


【◎】「煩悩寺 2」秋★枝

2012年06月25日 21:05

 無事付き合い始めた小沢さんと小山田くん。せっかくだしカップルらしいことをしようとするが、そこはそれ、いつものように煩悩寺でマッタリ。そんな2人の仲も島ぽんのおかげ(?)もあって少しずつ進展していきます。他人の恋愛がホントに羨ましくなる第2巻!最後には、小沢さんプロデュースによる新生煩悩寺も誕生!?

 ということで、読みました。
 うわー、イチャラブじゃないですかー。
 世の中の大部分のラブコメやらロマンスやらの物語における「恋愛」というものが未来のそれへに向けての躍進であることが多いのを踏まえれば、1巻の終わりで「ハッピーエンド!」となってもおかしくなかった本作の場合は、まさに現在進行形で幸せ真っ只中であるために、読んでいてこっ恥ずかしいことこの上ないですよ、まったくもう。よろしくやってくださいよ、もう。
 そんな感じで優しくスイートなお話てんこ盛りなのに、まさかのエロス! ザ、ボンノウジの変! というか恋!
 糖分たっぷりです。


【◎】「外天楼」石黒正数

2012年06月25日 21:02

 外天楼と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々。エロ本を探す少年がいて、宇宙刑事がいて、ロボットがいて、殺人事件が起こって……? 謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜庭冴子は自分勝手な捜査を開始する。“迷”推理が解き明かすのは、外天楼に隠された驚愕の真実……!? 奇妙にねじれて、愉快に切ない――石黒正数が描く不思議系ミステリ!!

 ということで、読みました。
 これは奇妙な味わいの短編集だ。「メフィスト」誌に連載されたものを収録、ということで、様々な場面が交錯し、分かれていく。ひねくれた感じのミステリだな、とニヤニヤしながら読み進めていったら、思わぬところから糸は繋がり、思わぬ展開に、そして予想だにしない結末へ。一話目を描いていた頃は、ひょっとして石黒氏、この結末は想定していなかったんじゃないか、というくらいの意外性。いやしかし、石黒氏はプロット作家のはず、と認識しているので、本書は「全く別物の話にも見える各々の小編を眺めていても、伏線のようなものが後から浮かび上がってくる」ゆえに、ミステリアスで、ファンタジックな完成度を誇る秀作なのではないかと思うのです。褒め過ぎではないかと分かっていても。


【○】「俺の妹がこんなに可愛いわけがない 1」伏見 つかさ・いけださくら

2012年06月25日 21:00

 読みました。
 原作未読。アニメも未視聴。という素人の初体験「俺妹」です。
 いわゆるかんざき版とでも言うべきものがベースになっているメディアミックスですので、いけだ氏のナチュラルな作風には賛否両論あるようですが、成る程…、表情や態度の描き方が不自然にえろいというか。元々がそちらの畑の方のようなので、大抜擢だと思うですよ。オノマトペの用い方が大胆な作風で、その辺、悪乗りに見える人もいるのかも。個人的には色々恥ずかしい感覚を抱きつつも楽しく読めました。
 幼馴染みが可愛いなあ…。素直にくっついちゃえばいいのに。


帰ってきた今日のフォト

2012年06月20日 07:56

 どんぶり!

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【○】「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

2012年06月19日 20:57

 私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。

 ということで、読みました。
 間違いなく現代劇のはずなのに、何処かレトロな都の息吹をあちこちで感じる物語でした(最後は冬の嵐でしたが)。ふたりの主人公、彼と彼女の語りが交互に展開される構成なのですが、どうも表情が伺い知れないのは、ふたりともが本当の自分の本心、というか本性を明かしきっていないためか、と勘繰ってみたり。話が進むほどにファンタジーになっていくのが読みにくさに繋がっているのだとは思うのですが、恋愛物語って、その殆どが妄想を武器にしたファンタジーであるとことを思い出しました。そう、夢物語が現実と刷り変わっていく素敵さです。


【◎】「海馬が耳から駆けてゆく・4」菅野彰

2012年06月15日 20:11

 旅また旅。行く先々で起こる、おかしかったり、美しかったり、哀しかったり、やさしかったりする様々な出来事…。そして、著者を襲う、再びの厄年! 『Wings』掲載のエッセイを収録した第4弾

 ということで、読みました。
 桜庭一樹、三浦しをん、そして菅野彰。この御三方は個人的に女性エッセイスト三傑だと思っているのです。桜庭氏と三浦氏が直木賞を受賞した今、菅野氏も大作をぶち上げて直木賞作家に…、という夢を見てしまいました。閑話休題、この4巻だけが長いこと読めていなかったので、ようやく読めて嬉しい。発行は最早、随分前のもので、それでも全く古臭くないのはどうしてだろう。いや古いか。いやいつまでもワープロ使ってます、という話は確かに今となっては物凄い昔の話だよなあ、と頷かざるを得ない。しかし本当に、ワープロが壊れた話とか、厄年絡みの話とか、滅茶苦茶面白い。どうして不幸話なのに面白いのか。荒削りな文体、ぞんざいな語り口が相変わらず力強いです。


【◎】「桃色トワイライト」三浦しをん

2012年06月14日 03:44

 いい男たちを眺めるだけで満足する「物陰カフェ」を発案。これって病? それとも愛? 妄想ロマンティック街道ばく進中の乙女代表選手・三浦しをんのスーパーエッセイ。ウェブ掲載に加筆して単行本化。

 ということで、読みました。
 こ、この表紙はもしかして、「頭がお花畑」ということなのかしら…、いやいや、穿ち過ぎか…、しかし、洒落にならんな、それは…。そんな読者の妄想すら生ぬるい、作家、三浦しをんの日常。作家である前に、いち乙女であることをそこここで伺い知ることができるエッセイ集。しかしまあ、まるで創作ショートショートのような物語性溢れる面白さだわ。半分くらいは自室に閉じ籠ってドラマを見たり漫画を読んだり友達とお茶会だか飲み会だかをしている様だというのに…。静かなるエンターテインメントは、社会文学の可能性を秘めている! かも。


ウェイパー!

2012年06月13日 12:06

 味覇! ウェイパー! 素晴らしいよ!
 万能! 最強! 中華ダシ!

  

【○】「桜庭一樹日記 BLACK AND WHITE」桜庭一樹

2012年06月12日 03:41

 そこにあるのは、偽りなき作家・桜庭一樹の日常の100%。ライトノベル作家として活躍しながら、その後着実に作品を発表し、さまざまなフィールドへと活躍を広げていった一小説家のWeb日記ともいえる。が。が、しかし。空手を愛し、サンボマスターを愛し、映画と小説と―もういろいろなものがおもちゃ箱のようにいっぱいつまった爆笑日記ともいえる、し。でも、本当は世界の涯(新宿二丁目)であがきながら、疾走し、物語を紡ぎ続けた、ある作家の日々の営みの記録である。

 ということで、読みました。
 あけすけな桜庭一樹の日常が伺えるウェブ日記の書籍化。「読書日記」も非常に面白く読ませて頂いたのですが、本書は、なんだか、こう、今となっては直木賞作家となってしまったというのに、この頃は如何にも「ライトノベル作家でございます」という姿勢だったのが次第にかっちりとした「小説」を手掛けるようになってきた頃までの時期を押さえているために、作家の創作への「日常」が伺えるような気もして興味深いものもあります。だって酒飲んで語って空手の稽古に行って部屋の隅っこでしょんぼりする作家! それを配信しちゃう度胸! すんげえなあ。



【○】「真夜中の探偵」有栖川有栖

2012年06月11日 02:37

 平世22年―すべての探偵行為が禁止された日本。空閑純は、17歳。両親ともに有名な探偵だが、母の朱鷺子は4年前から行方不明。父の誠は昨年、警察類似行為で逮捕され、収監されている。純は叔父の住む大阪で独り暮らしをはじめる。母の行方の手がかりを探すなか、父母に仕事を仲介していた押井照雅という人物と会える機会が訪れる。1週間後、押井の別宅で水に満たされた木箱に入った溺死体が発見された。被害者は元探偵で“金魚”と呼ばれていた男だった。容疑者リストに入った純は、自ら「水の棺」の謎を解くために調査をはじめる。純は探偵としての一歩を踏み出せるのか。

 ということで、読みました。
 シリーズ2作目。というか「闇の喇叭」の続編、という位置付けであるので、未読の方は是非そちらから。どうして「探偵」が禁止されているのか、どうして主人公が「探偵」を志すようになったのか、といった経緯が語られるのがそちらからだし、そもそもこの歪んだ世界がどのように組み立てられてきたのか、についての描写に紙面を費やしているのが前巻なもので。
 どうやらこのシリーズは今後、失踪した母親の探求し始める「探偵未満」ソラの立ち位置を追い掛ける物語であるので、読者としては始終、もどかしいというか不甲斐ないというか、ありふれたミステリの「探偵」の姿を追うことを当然と思っていると、肩透かしを食うかも。「水の棺」により殺された元探偵、という謎もさることながら、あの人物があの事実に繋がっていくのか、というロジックに伏線はきちんと張られており(「棺はふたつあった!」と言われても、正直、キョトンとしてしまいましたが)、フェアでないのは、ひたすらに、この世界なのです。


【○】「ブラック・スワン」鑑賞。

2012年06月10日 23:54

 ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナは、元ダンサーの母親の寵愛のもと、人生のすべてをバレエに捧げていた。そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れる。しかし純真な白鳥の女王だけでなく、邪悪で官能的な黒鳥も演じねばならないこの難役は、優等生タイプのニナにとってハードルの高すぎる挑戦だった。さらに黒鳥役が似合う奔放な新人ダンサー、リリーの出現も、ニナを精神的に追いつめていく。やがて役作りに没頭するあまり極度の混乱に陥ったニナは、現実と悪夢の狭間をさまよい、自らの心の闇に囚われていくのだった……。

 ということで、観ました。
 ナタリー・ポートマンがアカデミー賞受賞ということで。大人になったねえ、マチルダ…(笑)。
 ストーリーそのものは割と分かりやすい。プリマドンナを目指す女性の苦悩が屈折した狂気へと変貌していく様を描いたサイコ気味サスペンス。ホラーではなくて、サスペンス。もうプリマといえば選ばれた者を周囲が羨望し、嫉妬するのだということを素人でも知る世界なのですが、本作の狂気はといえば、見事主役に抜擢されたニナの惑いが、外側の要因というよりも、ひたすら個人的に、内側に向くことによって生じた妄想にすら見える迷いなのですよね。もっしかしたら、「全部妄想?」と観る者に思わせてしまう末恐ろしさ。白鳥じゃなくて、黒鳥なんだ、やっぱり。タイトルしかり。技術的な面では完璧なのに、精神的な面で未熟な女性。ラストシーンに向け、それは顕著です。
 大体、ナタリー・ポートマンっていち俳優に過ぎないと思っていたけれど、4歳の頃からダンスの経験があり、ということで、本作の主演を張る素養は十分にあったわけですね。しかしプロのダンサーではないわけで(?)、プロのアクターが演じるプロのダンサー、という勝負に彼女が果敢に向かった結果、が描かれているのでしょうね。


【○】「高杉さん家のおべんとう 4」柳原望

2012年06月10日 01:36

 久留里、今回はアリスのコスプレに挑戦!? 友達との交流を深め、生徒会に挑戦したりと大躍進の久留里。親代わりの温巳はそんな久留里に安堵しつつ、同僚の小坂さんと距離を近づけるが、久留里の複雑な気持ちには気付かない…。いなり寿司の隠し味や池袋巡検と、大満足のハートフルおべんとうコメディ、待望の第4巻!!

 ということで、読みました。
 ハルと久留里、家族喧嘩が出来るようになったのかー、とズレた感想を抱いてみる。あいっかわらず、どっちも他人と接するのに不器用で、すれ違いじゃなくて平行線を辿っちゃうことで生まれるもどかしさが面白かったり切なくなったり。生徒会選挙、修学旅行、巡検同行、そしてまさかの海外…、様々なイベント。何もかも特別。ほんの少しずつ、久留里の自己が確立してきたというか、「大人」に対する憧憬だけじゃない感情が伺えるようになってきたと思えるのは気のせいでしょうか。子供が大人になるのは、気を付けていないと直ぐだぞ、ハル。

【○】「LIAR GAME 14」甲斐谷忍

2012年06月10日 01:32

 イケザワが勝者となり、4回戦本戦の“イス取りゲーム"終結!! それぞれの日常へと戻された敗者たちだったが、やはり再び届けられた敗者復活戦への招待状。4回戦本戦で協力してくれたアベを救うことができなかったという思いから、1人での参加を申し出る直。そして、訪れた敗者復活戦の会場には、4回戦本戦で戦った面々と、何故か負債を無くしたはずのアキヤマの姿が!! その中で告げられる次の敗者復活戦の内容は、“入札ポーカー"。再び始まる“騙し合い"の行方は──。

 ということで、読みました。
 運だけでは勝ち残れない、戦略策略がものを言うライアーゲーム。今回は入札ポーカー…、またまた、複雑なゲームになりそうな気配が濃厚。正直、始まったばかりの段階では何をどう面白がればいいのか分からず付いていけるか不安です。複数名の思惑が既に見え隠れして絡まっているのが伺えるのですが、「勝者」が誰なのかは伺えず。このシリーズに関して言えば、ゲームの勝者が全てを勝ち取っているわけではないのが面白い。今回からはナオが手綱を取ろうと滅茶苦茶頑張っているようですが、はてさて。秋山は何を考えているのか。


【◎】「フローズン」鑑賞。

2012年06月08日 23:48

 日の暮れたスキー場で最後の滑りを楽しもうと、ダン、ジョー、パーカーの若者3人が乗り込んだリフトが、突然山上への途中で停止してしまう。リフトの係員の勘違いで、運転をストップしたのだ。いくら大声で救助を求めても、大自然の真っただ中では誰にも悲鳴は届かない。スキー場の営業は1週間後。ゲレンデの照明が消え、猛烈な吹雪にさらされたとき、携帯電話も食料も持たない3人は、自分たちが最悪の状況に陥ってしまったことを思い知らされる。氷点下20度という血も凍りそうな極寒の暗闇の中、地上15メートルの空中に宙吊り状態で置き去りにされてしまったことを―。
 スキー場を訪れた経験のある人ならば、誰もが一度は想像したことのある悪夢のようなワン・シチュエーション。真冬の雪山のリフトに宙吊りにされる底なしの孤立感、若者たちの体力&気力を根こそぎ剥ぎ取る寒さと凍傷の恐ろしさ。『SAW ソウ』シリーズのプロデューサーが仕掛ける、身も心も凍りつくような恐怖。観る者に「もうスキー場には行けない…」と叫ばせる、究極の〈体感型シチュエーション・パニック・スリラー〉!!

 ということで、観ました。素敵な梗概!
 ディテールを突くと、恐らく誰が見てもツッコミまくりであろう作品です。シチュエーションは狭窄的でまさに「撮った者勝ち」。スキー場のリフトに取り残されてさあ大変、助けを呼ぶにしてもワイヤーを伝うか飛び降りるかの二択しかないわけで、話の広がり方が限定されてしまうのですが、本作に関して言えばそこに意外な脅威を登場させることでサスペンスを極限に向上させていると言えるでしょう。いよいよ話が盛り上がってくるまで(リフトに取り残される!)に、ちょっともたつきがあるかな、とも思うのですが、それからはひたすらにリフトの上でのやり取り。低予算映画になるのだろうな、と分かるのですが、よく90分の尺を持たせていると思います。
 顔丸出しでベラベラ喋くっていたり、ワイヤーをアレするのにも幾らでも工夫出来ただろうにしなかったりと、アタマワルイ学生スタイルはこんなところにも健在でホホエマシイですね。実際には苦しい言い訳になってしまうと思うのですけれど。ナイターもあるだろうスキー場で、ああいうのが野放しになっているはずもないだろうし。いや、なんだかんだ怯えながら最後まで面白がってしまいました。


【◎◎】「相田家のグッドバイ」森博嗣

2012年06月06日 21:32

 彼の母の第一の特徴は、ものを整理して収納することだった。それくらいのこと、綺麗好き整頓好きなら誰でもする。が、彼女の場合、完全に度を越していた。母は、父と結婚して以来、燃えるゴミ以外のゴミを一度も出したことがない。たとえば瓶、プラスティックの容器、ビニルの袋、空き箱、缶、紐に至るまでけっして捨てない。きちんと分別をし収納した。包装紙はテープを取りアイロンをかけて皺を伸ばし正確に折り畳み、輪ゴム一本でさえ太さ別にそれぞれ仕舞った。空き箱の蓋を開けると少し小さい箱が中に収まっていて、その蓋を取るとさらに小さな箱が幾重にも現われた。円筒形のお茶や海苔の缶も同様。家の至るところにそういったものが高密度で収納されていた。七歳年長の無口な父はときどき「こんなものは捨てれば良い」と言ったが、基本的に妻の収納癖に感心していた。平凡な家庭の、60年に及ぶ、ちょっと変わった秘密と真実とは? 森博嗣の家族小説!

 ということで、読みました。
 ちょっと長いけど、梗概をそっくり載せてみました。こんな「普通で変わった」家庭で育った語り手の、半生の深層。さて…、今回、森博嗣の描く家族小説は、ファンにとっては自伝的小説。どうしても氏のルーツを本書から読み取りたくなってしまうのですが、「Mシリーズ」みたく、そういうことなんだろうなあ。とまれ、作品を成立させるだけの少ない要素ながら密度の濃い物語に、不覚にも感動しました。生き方というか、生き様というか、人は自分を周囲に照らし合わせて過ごさずにはいられないのが普通だけど、それは道理であれ義理ではない。
 最後の方は、もう、読者として正しいのか間違っているのか良く分からないけれど、これは絶対作者の人生観がそっくりそのまま語られちゃっているという切なさというか悲しみというか、そんな感覚ばかりが押し寄せてきてしまって、ラストシーンで泣きそうになっちゃいましたよ。人を、世界を玲利な視線で捉える氏の「冷たさ」があってこそ出来上がった、暖かいものを感じずにはいられないお話でした。


カート

2012年06月05日 21:39

 僕には、長年の懸案がある。
「ショッピングカートは何故真っ直ぐ走らないのか?」
 ショッピングセンタに行って、カゴを入れて歩くカートを押す。ちょっと手を離すと、僕のすぐ前でカートは右や左に曲がる。或いは、僕は真っ直ぐに歩こうとカートを正面に押しているのに、変な癖がついていてそいつは若干斜めに進もうとするので、僕はその反対側のベクトルに若干の作用を加えて押して歩かなければならない。主観的には、真っ直ぐに走ってくれるカートなど、殆ど存在しないのだ。しかし、全てのカートが整備不良であったら、それはそれで明らかに店の側に問題がある。きっと、多分、おそらく、認めたくはないけれど、僕が手に取るカートばかりが、そんな奇妙な癖を持っているのだ。こんなときばかり籤運が良い、というか、悪い、というか、しかしまあ、そんな風に解釈して諦めていた。どうしてこう、左右に曲がる癖がカートにはついてしまうのだろう。無茶な運転(?)をさせすぎているというのか、それとも、工学的な根拠があるのだろうか。
 本日、上記懸案についての合理的解釈を得た。嫁さん曰く、
「だって、放っておいて真っ直ぐ走っていったら、遠くでぶつかっちゃうでしょ?」
 仕様ですか!

【◎】「闇の喇叭」有栖川有栖

2012年06月05日 04:26

 平世21年の日本。第二次世界大戦後、ソ連の支配下におかれた北海道は日本から独立。北のスパイが日本で暗躍しているのは周知の事実だ。敵は外だけとはかぎらない。地方の独立を叫ぶ組織や、徴兵忌避をする者もいる。政府は国内外に監視の目を光らせ、警察は犯罪検挙率100%を目標に掲げる。探偵行為は禁じられ、探偵狩りも激しさを増した。そんな中、謎めいた殺人事件が起きる。すべてを禁じられ、存在意義を否定された探偵に、何ができるのか。何をすべきなのか?

 ということで、読みました。
 有栖川氏の新シリーズは、南北が政治的に分断された「もうひとつの日本」「探偵行為が禁止された日本」で起きた、ある事件を発端に展開。ちょっとSF。著者が後書きで述べているように、本書はその始まりの物語。いつも意外なところから推理の道標を導き出す、ロジックを得意とする氏が、本書ではかなり大胆なトリックと結びつけた、如何にも本格ミステリな終盤は読んでいてやはり楽しい。加えて本シリーズでは「探偵の立ち方」にスポットを当てようとしているのが興味深く、続編も楽しみにしています。
 エピローグの余韻が堪らなく切ない…。


131

2012年06月04日 21:39

「えー? お前、まだ昭和46年発行の100円玉なんて使ってるの? ダッセエ! ほら、みろよ。これ、平成23年発行の100円玉だぜ!」
「うわあ、いいなあ! ぼくも欲しいなあ!」
「かーちゃんにきいてみろよ。大人はいっぱいもってるはずだぜ、新しい100円玉!」
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【◎】「ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常」三上延

2012年06月04日 03:23

 鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。変わらないことも一つある―それは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、人の秘密、そして想いがこもっている。青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あるときは優しく紐解いていき―。

 ということで、読みました。
 前巻に引き続き、古書と古書店の色々に関する入門書のような数々のエピソードが楽しい、ビブリオ(書籍)ミステリ。訥々とした語り口調がやけに落ち着いた成人男性所以のもので、やはりラノベぽくはないですね。でも前巻よりも読み物としての奥深さが増していて、それでいて実在の書籍を下地にしたミステリとくれば、本好きの人にはたまらないものがあります。
 本を、読書を愛するがゆえに、現実を斜に見てしまう、というのは読書家にはよくあることで、偏愛も困り者。栞子さんの母親の話が印象深い本書は、その辺を思わずにはいられません。


【◎】「桜蘭高校ホスト部 18」葉鳥ビスコ

2012年06月03日 04:21

 母との再会後、ハルヒに告白された環。想いを確かめ合った二人の初デートは!? そんな中、ボストン留学の話に迷うハルヒ。環とホスト部員たちは? 更にホスト部主催の仮面舞踏会で、ハルヒは周囲に秘密を打ち明けることに! そして最後は驚愕の…☆ 感動&爆笑必至の最終巻!特別編も収録!!

 ということで、読みました。
 最終巻。ここまできたらハルヒも環も誰も彼も皆が幸せになりますようにと、そればかりを願わずにはいられない、前向き駆けっこのエピソードの数々。出来上がってしまえば楽しいことこの上ない二人組。出会いがあれば別れもあり、ということでハルヒには海外留学の話が。波乱や波瀾、けれどこれぞセレブレティ、ホスト部の面々のすっとんきょうな行動に口許が持ち上がってしまいます。実にシリーズらしい終わり方で、…いやいや、つまり、彼らの物語は終わってなどいないのだ。始まったばかり、という甘えでもない。しっかりと、絆は続いていく。


【◎】「桜蘭高校ホスト部 17」葉鳥ビスコ

2012年06月03日 02:20

 読みました。
 須王家編とも呼べる、多くの人々の多くの思惑が複雑に絡まりあった物語も、ついに佳境へ。プロットで読ませる巻。こんなに皆の考えが凝り固まってバラバラで、環が独りで頑張って苦悩しているのが見ていて居たたまれないのだけれど、本来は部外者であるはずのハルヒが舞い込んだところで実に彼らの世界は不思議な落ち着きに導かれる。平凡で普通であることは、本シリーズでは異端でもあったはずなのに、いつのまにかそれも普通になっているのがまた不思議。
 じわじわと感動が高まっていく「成田行」は必見です。
「大好きだっ!」
「僕らもだ!」


【○】「桜蘭高校ホスト部 16」葉鳥ビスコ

2012年06月02日 03:18

 読みました。
 ちゃんと年月は過ぎ、予定調和を超えた絆によって成り立つエピソードの数々。148センチ、ケーキ好きの男子大学生…、笑えますね。なんという愛嬌王子だ、ハニー先輩。読んだ人がジコチュージコチュー言うので、そんなことは今に始まったことじゃないだろ、と思いながら読んでいたら、まさかの事故チュー! こういうことか! あまりにさらりと描かれた(その後のバタバタっぷりがもうサイコーなのですが)けれど、こういうのもアリなのか。
 ここからシリアスモードに転じて長いラストスパートとなるのでしょうか、終幕への開幕編。




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