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【△】「リーゼロッテと魔女の森 3」高屋奈月

2013年01月31日 20:02

 読みました。
 なんだろう、はっきりしない。そっぽを向いて物語を話されているような、巧く聞き手として落ち着くことが出来ないようなもどかしさを始終感じてしまいました。お話の起伏はしょっちゅう膨らんで、何処へ向かって転がっていくのか全然分からないのも同じ。というか、遠くで霞んでいるようなものがあるのは分かっているのだけれど、目の前の情景があやふやなものだからなかなか一歩目が踏み出せない、みたいな。多分、淵月のせいだ。それは分かる。奴の行動原理がはっきりしないのがいけない。リズも…、まあ、そうなんだが。真っ直ぐ過ぎて。


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【○+】「スティール・ボール・ラン 3」荒木飛呂彦

2013年01月31日 20:00

 1st.STAGE終了直後に、参加選手3名が死体で発見された。容疑者は参加者全員! 保安官助手として、優勝候補のM・ティムが犯人追跡を任されるが…!? そして魔物が棲むアリゾナ砂漠越えの2nd.STAGEが始まった!

 ということで、読みました。
 大勢の参加者がいるレースなので、当然、それなりのルールが設けられているのは分かるけれど、あれは相当ガックリきただろうなあ…。さて、第2ステージ開幕。人知を超えた驚異的な力の持ち主が現れる。「ヤバイぞ! 何だか分からないがとにかくヤバイ!」という感じ。呪い。呪いときたか…、いよいよスタンドバトルっぽいもの、というか、それそのものが始まるのですね。主人公勢の「レースに参加する目的」が見えてきた感があり、読者もそれなりに意気込んで観客となることが出来そうです。
 ナニ考えてんのか分からん奴は分からんけどね。


【○+】「スティール・ボール・ラン 2」荒木飛呂彦

2013年01月30日 19:57

 1st.STAGE15,000mのスプリントレースは、開始わずか1,000mで優勝候補が脱落という、波乱の幕開けとなった。トップをゆくのは無名の男・ジャイロ。その後を天才騎手・ディオが追う! 勝利は誰の手に…!?

 ということで、読みました。
 長いこと「ジョジョ」のシリーズを追っている人にとっては、あまりにマトモなレースの描写に驚いたのだろうな、と思う(そう、これでも十分マトモなのだ)。短距離(15キロのスプリント)の第1ステージ。ただ直線を突っ走るだけではなく、彼方此方にアクションがあり、先が見えず面白い。ポコロコがその面白さの殆どを掻っ攫っているのがまたなんともいえない。ところで「ジョジョ」と言えばアレ、というものがありますが、その片鱗が早くも彼に見え隠れしてますね。最後の最後まで成り行きが分からないレースは、本当、面白い。


【○】「スティール・ボール・ラン 1」荒木飛呂彦

2013年01月29日 23:39

1890年、アメリカで世紀の大レース『SBR(スティール・ボール・ラン)』が開催された。総距離約6,000km、人類史上初の乗馬による北米大陸横断レースである! 優勝賞金5千万ドル(60億円)をめざし、屈強な冒険者たちの戦いが今始まった!

 ということで、読みました。
 長丁場の米国横断レース、その開幕まで。当初からこの話はパラレルワールドであると言われていたのだけれど、今になって思えば、これは「ジョジョ」の世界が新しく「一巡」した世界の物語であるのだと納得出来ます。というか、最初は第7部だと宣言されてはいなかったのだよな…、その辺の事情は第6部と同じか。
 ともかく、クセだらけの登場人物がそこかしこにいて、アクの強さがハマれば楽しめそうなのは直ぐに分かってしまう。物語の主人公と、物語を牽引する人物もどうやらはっきりして、一体全体、どのようなレースが展開されるのやら。


【○+】「ハンナ」鑑賞。

2013年01月29日 22:41

 元CIA工作員の父とフィンランドの山奥で人知れず暮らし、並外れた格闘テクニックを叩き込まれたハンナ。
愛らしい外見に反し、痛みを知らず感情をもたないまま16歳にまで成長したハンナの戦闘能力はいつしか父を超え、ついに外の世界へ旅立つ日が来た。
 ある任務の下、ヨーロッパへ旅立った彼女をかつての父の同僚であるCIA捜査官マリッサが執拗に追う。行く手を阻むマリッサの手下との壮絶な戦いのなかで、ハンナは自身の卓越した身体能力の秘密を知らされることに---。

 ということで、観ました。
 華奢な少女がアサシン。厳密には違うのですが、そんな表現が似合いそうです。「ニキータ」等を思い出しますね。追いし者、追われし者。サスペンスフルなのに、映像はとても綺麗。色素の薄い少女が雪原や暗闇で青い瞳を光らせる様は本当に絵になります。彼女とその父親は一体何者を標的にしているのか(殺しに言ったかと思えばあっさり捕まってみたり、この辺、本当に曖昧な気がする)、そしてその目的は。前半から中盤の流れはとても好き。それだけに、後半に向けての緩急が大きくて、落としどころが曖昧になっているような印象。フィンランドの奥地で暮らしていたために電気とかガスとかよく知らずに過ごしていたような子が、恐らくほんの数日、世間に出てきただけで、調べたい相手をネット検索とか。知識を生かした、と言えばそれまでなのだが、突然順応力の高さを出されてもなあ。ビックリした。
 ラストシーンの一言は観客の期待を裏切らないアクセントで、これも好きです。


【○】「夏目友人帳 6」緑川ゆき

2013年01月29日 20:37

 読みました。
 このシリーズで読んでみたかった中編(3話分)のエピソードの導入が「箱の中の少年」という響きで、なんだかもうそれだけで御飯が食べられそうな響きなんですが、こんな読者は僕だけで十分です。
 夏目の「仲間」が少しずつ増えていく昨今、やはりこういう展開に持っていくのだな、と納得しつつも、これはやはり寂しい。決して、夏目は誰にも味方しない、なんて、どっちつかずというわけでもないし、その場凌ぎの優柔不断な少年でもないとは分かっているものの、力が足りない、ということになってしまうのでしょうね。
 …名取もなかなか、報われそうもないな。


【○+】「荒川アンダー ザ ブリッジ 12」中村光

2013年01月28日 20:34

 電波な住人が電波をジャック!
 TVドラマが放送開始! さらに映画化も決定で、ますます絶好調の電波系コメディー!
 河川敷の住人たちも調子にのって、大暴れしまくりです!

 ということで、読みました。
 公式に「電波系コメディ」ということであったのか…、そうか。
 もどかしさと悲壮感すら漂っていた金星に赴く空気は何処へやら、なんだかとってつけたかのような、それでいて底抜けの明るさが満ちている河川敷です。正直な話、前よりもコメディの方向性としては個人的には面白いと思うのですが、ここにメタフィクションな意思を感じるのは僕だけではあるまい。多分、大まかな話の流れが一段落して、改めて登場人物の掘り下げが始まったからなんだろうなあ。
 番外編は如何にも市ノ宮家の男の人っぷりであることを認識させてくれるリクの両親の話。「他人に貸しを作らせない」教訓はこういう形だと沁みる。


なにもしない!

2013年01月27日 20:30

■現在抱えている仕事がひじょーにストレスが溜まるのでつらい。つらーい!
 しかし、それが、仕事なのである!
 寒いし、眠いし、日曜日は何もしない!

■ぐるぐる! 面白い! 可笑しい! 可愛い!


■これ凄い。心底凄いと思う。RPGで目隠しプレイ。
 しかもこのシリーズ、全クリできっちり完結してる。


【◎◎】「荒川アンダー ザ ブリッジ 11」中村光

2013年01月27日 10:32

 電波飛び交う大宇宙!
 荒川河川敷から強力な電波が大気圏を突破! 荒川を飛び立ったロケットは、あらぬ者を乗せてあらぬ場所へ…? TVアニメ第2期も絶好調放送中! 元祖電波系コメディー第11巻!

 ということで、読みました。
 はっちゃけた、というか、ぶっちゃけた、というか、このシリーズ的に言えば…、電波全開? ついに読者の理解や解釈などの一切の追随を許さぬ独自なワールドを築いてしまった感もあるのですが(というか、ここまでくればもう宇宙人だの電波だのの設定を疑うことは出来ない)、これまでに伏線がなかったわけでもないのが凄い。ついに金星に旅立ってしまった面々…、この「面々」が実に意外で、実に曲者。多くの読者が「彼」を敵に回したというか、高感度の問題なのでしょうが…、ええ、そりゃあもう、危うく独擅場となるところでした。金星と地球の温度差が素晴らしい。おかげで「ツッコミ」の回などは傑作。
 にも関わらず、そこにあるのは日常なんですね。


【○+】「ちはやふる 1」末次由紀

2013年01月25日 23:25

 まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早。そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新。大人しくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。それは、小倉百人一首競技かるた。千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー、いよいよ開幕!!

 ということで、読みました。
 へえ、カルタ漫画かあ、くらいの気持ちで読み始めたら、冒頭から息を呑む始まり。なんとスポーティであることよ、競技カルタ。記憶にある「大袈裟なほど全身を使ってカルタ取りをする男女」の姿が、まさかガチンコの試合風景であったとは、軽いカルチャーショックですね。いや、忘れているだけなんだと思う。
 不思議なもので、多くのカードゲームと同じように、誰だってカルタ遊びはしたことがあるはず、日本人なら。デジタルな遊びにまみれてしまった現代だからなお、一度面白さを見出してしまったら真髄を知りたくなる、これもそんなもののひとつなのかもしれない。


【◎◎】「天国と地獄」鑑賞。

2013年01月25日 21:48

 誘拐犯と捜査陣の対決を描いたサスペンス映画の決定版。全編に圧倒的な緊張感が溢れており、中でも日本映画史上に残る身代金奪取の意外なトリック・シーンは圧巻。

 ということで、観ました。
 「黒澤映画」をそうと知って観たのは初めてかもしれない。優れた誘拐モノ、と聞いて観てみたくなったのだけれど、見終わってから、1963年製作と知って驚いた。140分の長尺が全く弛まない。脚本と演出が隅々にまで神経を張り巡らせているよう。ディテールが緻密で物語も濃密なサスペンス映画だ。おおよそ、2部構成であることが伺えるのだけれど、そのふたつの空気が全く異なるようでいて、きっちり平行線を辿っている。現代ではなかなか実際には取り組めない、濃いリアルと犯人像。インパクトのあるラストシーンが題名を物語る。


【○】「金田一少年の事件簿 血溜之間殺人事件 不動高校学園祭殺人事件」さとうふみや・天樹征丸

2013年01月25日 20:16

 血溜之間殺人事件:横から口出しした者は首を切られて「血溜まり」に置かれる――。囲碁の世界に伝わる逸話どおりに、裏返した碁盤の上で生首が発見された!超進学校との囲碁対決で起きた惨劇の舞台は「梔子荘血溜之間」……!!
 不動高校学園祭殺人事件:学園祭で賑わう不動高校……その裏側に潜む因縁の黒い影。写真部主催のメイド喫茶で殺人事件発生。メイド服を着せられた奇妙な死体に隠された真実に金田一少年が迫る!

 ということで、読みました。
 短編2編を収録。「血溜」も「不動」も、ほんの短い時間のアリバイトリックがメイン。どちらも実に巧いことやっているけれど、やはりミステリにおける犯人には、その犯行時には究極的な運がもたらされるのだ。これは事件が発生(成立)しないことには話が進まないのだから仕方がないのだとはいえ。碁石のダイイングメッセージは、なんだか釈然としない。それが示すものは、聞いてみればそれしかないように思えるけれど、でもこの暗号はどうなんだろう。生き死にが掛かった場面で「ダイイングメッセージ」として使うべきではないような。しかも被害者は自分で「殺されてしまっても仕方ない」というようなことを考えていたのに。しがみ付いてしまうものですね、やはり。


【○】「金田一少年の事件簿 ゲームの館殺人事件」さとうふみや・天樹征丸

2013年01月24日 20:13

 遊園地の帰りに乗ったバス内で眠らされ、他の乗客ともども拉致された金田一少年と美雪。目が覚めた場所は廃病院! 覆面の怪人「ゲームマスター」による“殺人ゲーム”が問答無用に開始される。制限時間内にクイズに答えられなかった者が爆死し、早くも第一の犠牲者が‥‥。周到な殺意が潜むこの閉鎖空間から脱出することはできるのか!?

 ということで、読みました。
 「金田一×SAW×JUDGE」みたいな構成。ソリッド・シチュエーション・スリラー。あまり金田一シリーズでこういうゲーム性を突出させた話を作ってはいけないような気もしますが…、パズラー傾向の昨今では、製作陣の興味によって脚本の方向性が左右されるのは周知の事実。テンポが良い、というよりは急ぎ足で進む事件(ゲーム)のために、かえって伏線を読者が見逃す、というのは、良いのか悪いのか。生き残りゲームの中に論理的に解ける謎が混ぜられていた、というのは面白いですね。特定の人物に特定の行動をさせるトリックも如何にも現代風。
 頂けないのは表紙の絵柄だけ。中学生編かと思った。


【○】「日常 8」あらゐけいいち

2013年01月23日 20:27

普段はおとなしめな謎の女子高生・麻衣のまわりにはロボやら大福やら謎なものでいっぱい。八巻でもシュールなのかかわいいのか予断を許さない日常。夢、幻の如くなり。

 ということで、読みました。
 読んだこと忘れてた。幾らでもいけるな、これは。


【◎】「金田一少年の事件簿 雪霊伝説殺人事件(下)」さとうふみや・天樹征丸

2013年01月23日 20:10

 氷壁岳に伝わる雪霊伝説になぞらえて起きた連続殺人。一人二役を指摘した推理が外れ、苦境に陥る金田一少年に、さらに完璧なアリバイと密室トリックが立ちはだかる! 吹きすさぶ雪のように冷徹な犯人の正体を暴くことはできるのか!?
 犯罪コメディの傑作「速水玲香と招かれざる客」も同時収録。

 ということで、読みました。
 事件のメインは勿論、密室トリックなのだけれど(後述、メインはアリバイトリックでした)、犯人の指摘については、実に巧く真犯人の目くらましをされていた。これは好きなタイプのトリックミステリ。「金田一」シリーズは、事件の解明にまつわる重要なヒントが割とあからさまに提示されているのだけれど、上巻はほぼまるまる伏線を張るのに費やされていたのだと気づく。無論、読者をミスリードする意図も含まれていたわけで、なおかつ既存のトリックを発展させた(多少の無茶、無理は承知の)犯人を犯人と思わせないトリックは面白かった。ダイイングメッセージはやや取って付けの印象だが、知識さえあれば人と物が繋がる良い例。


【○+】「金田一少年の事件簿 雪霊伝説殺人事件(上)」さとうふみや・天樹征丸

2013年01月23日 20:03

 1億円の遺産相続の話を持ちかけられて、氷壁岳にある「雪稜山荘」へやってきた金田一少年。そこへ同じく相続候補者の7人の男女が集まった。だが雪に閉ざされた山荘の中で候補者のひとりが「冷凍死体」で発見され、その後密室から忽然と死体が消失!! この奇怪な現象は伝説の「雪霊タカハシ」の仕業なのか!?

 ということで、読みました。
 今回は限られた登場人物の中で起きる「雪の山荘」モノ。マスクとか仮面とかが出ると、すわ犯罪コンサルタント高遠登場かと身構えてしまうな。密室に現れては消える死体は、何故かガチガチに凍り付いていた、とのことですが、既存の作品でも登場していたトリックと似たものかもしれない。ミステリに馴染みのある読者は、かなり早い段階で「コイツが犯人に違いない、少なくともそれに限りなく近い」という確信を得られるだろうと思う(思わせぶりとするにはあまりにも堂々と描写される「一方しか登場しない双子」)。そしてそのうちの多くは金田一と同じ推理ミスを犯してしまうだろう、という趣向が凄く面白くしている。
 密室トリックについては、多分こうなんじゃないか、と漠然と思うけれど、前後の人物の行動と照合した具体的な完遂については思いつかず。


【◎】「12人の優しい日本人」鑑賞。

2013年01月22日 22:46

 三谷幸喜脚本による、演劇集団東京サンシャイン・ボーイズの同名舞台を映画化。日本に陪審員制度があったらという架空の設定を基に、12人の陪審員がある殺人容疑者の判決をめぐって議論を繰り広げるコメディ。

 ということで、観ました。
 「十二人の怒れる男」を日本流にアレンジした作品。舞台劇が大本の作品で、これは幾度となく時代設定に合わせて台詞等を書き換えているようです。いよいよ日本でもこのような話は絵空事ではなくなってきましたね。
 ある殺人事件の審議で、当初は11人が無罪を主張していたが、1人だけが有罪を主張、という始まりは、オリジナルとは逆。度重なる検証により、次第に信憑性の高い可能性が発見されていき、やがては…。密室劇であるところ、口頭による状況説明の繰り返し、という遣り方で、脚本勝負の映画ですが、そこかしこに日本人らしさ(フィーリングを強調する)が溢れていて面白いです。ラストの衝撃も良。


【○+】「12人の怒れる男」鑑賞。

2013年01月22日 20:43

 ロシア軍将校だった養父を殺害した罪で第一級殺人の容疑がかかっているチェチェン人少年の裁判は、当初は明らかに有罪だと思われていた。しかし、いくつか腑に落ちない点に気付いた1人の陪審員が他の陪審員に疑問を投
げ掛ける。無罪の可能性が浮かび上がってきたことから、審議の場は二転三転していくが…。

 ということで、観ました。
 同タイトルの名作を、ロシアを舞台にアレンジ。リメイクというよりそう呼ぶ方がしっくり来るような気がします。大筋の流れはオリジナルと同じ、しかし被告の少年の生い立ちや地方の情勢、勿論、陪審員たちの顔ぶれもガラリと変えてきています。オリジナルのテンポに比べれば長広舌がやたらと多く、時折意味ありげな場面転換が繰り返し行われるために、全体の尺は倍近くあり、オリジナルが大好き! という人は退屈になるかも。しかし、オリジナルとは全く違う説得力で観る者を圧倒するラストへの流れは、なんだか流石としか言いようがない。


【◎◎】「十二人の怒れる男」鑑賞。

2013年01月22日 17:40

 裁判での12人の陪審員たちの討論を描いた法廷ドラマ。17歳の少年が起こした殺人事件について審議する陪審員たち。誰が見ても彼の有罪は決定的であったが、ひとりの陪審員は無罪を主張。そして物語は思わぬ展開へと発展する

 ということで、観ました。
 ある殺人事件の審理をするために集った12人の男。被告の少年は九分九厘有罪、死刑であるはずだった。しかし、あるひとりの疑問が、少しずつその場を伝播し、支配していく。この少年を有罪にしても良いのか? 犯罪者が有罪か無罪かを委ねられた者として、どのように事件を審理するべきか? これは現代にもそっくりそのまま通用する論理です。法廷劇だが、舞台劇のように、密室から話は他所へ移らないため、言葉の遣り取りのみで「どんな事件のどんな疑問を議論していくのか、それから導かれる答えは」という話が進んでいくために、まどろっこしさを感じる人もいるだろう。けれども、敢えて場所を移さないことによって、実に濃密な会議が成立している。少年は有罪か、無罪か。実に丁寧に練られた脚本に乾杯。


【○+】「夏目友人帳 5」緑川ゆき

2013年01月22日 12:00

 読みました。
 人と人ならざる者、そのどちらに焦点を当てて描くかで、やはり物語の印象は形を変えてみせる。形というよりも、色が変わる、と言い換えた方がしっくり来るだろうか。4巻を読んだときに、擬人化した妖の方が映える、などと考えたけれど、これは相当エゴイスティックな感情だ。感受性の独りよがりと言ってもいい感覚で、けれど読者の中にも漫画読みとしてそんな独白に眉をひそめる者も決して少なくはないはず。死の先を行く者たちが現実をそのままの形で見つめることが出来ないように、現世で生きる者が見るもの全てが真実とは限らない。


【○】「夏目友人帳 4」緑川ゆき

2013年01月22日 11:51

 読みました。
 ヒトガタ(人型)の妖が登場すると画面映えするなあ、というのはいつも通りの印象。それから、読みきりにこだわらず(話を引き伸ばす意味ではなくて)画面を自由に使って絵を描いて欲しいなあ、というのもこのシリーズを通じて感じる印象。多分、怪談になり切っていないのが中途半端な感覚をもたらしてしまうんだろうなあ、とも思う。ベースが少女マンガだからか、どうしても「良い話」になってしまうのも、冒険心がくすぐられるというか。ほんの少しずつ心がほどけていく夏目の姿を眺めているだけで、何処か救われる人もいるのだろうけれど。


【○+】「リミット」鑑賞。

2013年01月21日 23:04

 棺桶のように小さな箱を舞台に繰り広げられる脱出劇を描いたサスペンススリラー。イラクで民間ドライバーとして働いていたポールは、何者かに襲われ真っ暗な木箱の中で目を覚ます。状況が理解できない彼は、何とかして助けを呼ぼうとするが…。

 棺桶の中に、男がひとり。舞台としては、それだけ。本当に、他の場所は映されないし、他の人も出てこない。地中に閉じ込められた中、どうにかして助けを求めようと苦悩し奮闘する男の話。それだけで90分を持たせられる脚本が凄い。電話を掛けまくって騒ぎまくって、落ち着いて考えてまた怒鳴って。主人公ポールの回想シーンとか第三者の視点とかが全くなく、リアルタイムの閉鎖感がひたすら続くので、とても息苦しい映画です。事態は少しずつ進み、そしてラストシーンの静かな衝撃が、しばらくは観る者の胸を埋めることでしょう。きつい。
 思うに、マーク・ホワイトというのは、誘拐・拉致事件で被害にあったまま助からなかった男性のことを示す符号なのではと。一番最後のシーンで、見つかったのはマーク・ホワイトだった、と告げられて、ポールの絶望と共に幕は下りるのですが、そもそも「マーク・ホワイト」という名前の人物が同時期に被害に会っていた、という単純な話ではなく、不特定多数の(生死不明な)被害者がいたのでは、と考えると、最後の最後でポール自身も「マーク・ホワイト」のひとりとなってしまった、ということになり、悲壮感はますます募ります。棺の壁にポールがペン書きした文字が、スタッフロールの後に映し出されるのも、そういうことなんじゃないのかな、と考えました。
 そんなわけで、手放しにはお勧め出来ませんが、シチュエーションスリラーの先端を目指す良い作品。


【○+】「荒川アンダー ザ ブリッジ 10」中村光

2013年01月21日 20:27

 電波な荒川河川敷住人がとうとう“電波”に乗る日がやってきた! 絶好調放送中のTVアニメに負けじと、本編も最高潮! 金星行きのロケットがカウントダウン開始! 果たして無事ロケットは飛び立てるのか!?

 ということで、読みました。
 島崎さんはー!? と一部の読者は大混乱必至の第10巻。実に格好良い表紙。表紙を取ると泣ける。実に。
 いよいよ一行は金星へのカウントダウン。「ギャグ漫画でシリアスな展開が急に始まると最終回が近い」メタ発言は目から鱗というか、編集者に喧嘩でも売ってるのかとヒヤヒヤしてしまいます。読者としてはこれは「ギャグ漫画」の持っている最強のギャグなんじゃないかと思ってはいるのですが、さて。実際のところ、そういう話の筋であることはずっと分かっていたはずなのに、いざ始まってみると違和感が拭えないシリアス展開。如何にや。


【○】「荒川アンダー ザ ブリッジ 9」中村光

2013年01月21日 20:17

 強烈な電波を放ち続ける荒川河川敷。吸い込まれるように、リクの秘書・島崎が、新たな住人に加わります。しかしクールな彼女がキャラに開眼した時、河川敷を揺るがす大事件が…!?

 ということで、読みました。
 表紙のセンスが毎度半端ねえなあ、この人…、…、…、…、いとおかし。いとおかし!(本編参照)
 このシリーズって、細切れのショートショートじゃなくて、きっちり短編で(変な表現)1話を描けばいいのになあ、と思ってはや9巻です。このくらい軽妙な方が洒脱、というわけか、河川敷だけに…、そうでもないか。今回は女スパイ島崎さんを大プッシュということで、いつもの面々に大いに俗世間から離脱させられた可哀想な姿が数々見られて、涙なしには読めません。読んでると、口は変な形にひん曲がってしまうんですけどね、笑いを堪えなきゃいいのに。


【○】「日常 7」あらゐけいいち

2013年01月21日 19:30

 普段はおとなしめな夢見る女子高生・みおのまわりにはロボやら大福やら謎なものがいっぱい。七巻でもシュールなのかかわいいのか予断を許さない日常。てか、カボチャかてぇ…。

 ということで、読みました。
 フツウ。ページをめくって、ああ、フツウ。なんだかこのシリーズの空気というかテンションというか、…圧力? そんなものにもいよいよ慣れてしまって、まあ、面白いというか、うん、普通ですね。なんといっても、これ、日常ですから。日常風景ですから。作者がそう銘打ってやっている以上は、我々読者としても、無表情とは言いませんよ。面白いものを読んでるなあ、うん、みたいな顔をして、はい、面白がってますよー、みたいな空気を伴って、楽しければ読むし、面白くなければ読まないし、という姿勢でいいんじゃないでしょうか。
 クスッ。クスクスクス。


【◎】「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」鑑賞。

2013年01月20日 20:56

 気のいいヤツらが殺人鬼?? スプラッターおバカコメディー! 親友同士のタッカーとデイルは、念願の別荘を手に入れ、休暇を自分たちの山小屋で過ごそうと森へやって来た。しかし2人は、同じ時にキャンプに来た生意気な名門私立の大学生グループに、人里離れた山に暮らす殺人鬼だと勘違いされる。タッカーとデイルが川で溺れかけた女子大生を助けたことで、更に誤解が誤解を生み、次々と死人が出てしまう。仲間の女子大生を救おうと大学生が襲いかかってくるが、事態はなぜか不思議なありえない展開に!気のいいタッカーとデイルの運命やいかに…?

 ということで、観ました。
 面白かった! ホラー映画の殺人鬼として登場しそうな冴えないふたり(実際、何もしていないのにそう勘違いされてしまうのが何もかもの始まり)、という設定をきっちり覚えておくと、どんどん面白い方に転がっていく本作は最後まで目が離せない。ホラーコメディにカテゴライズされているが、人気のない別荘地で大学生たちとのあれやこれや、といういわばお決まりの下地から、定石を破る「予想外の展開」に声を出して笑ってしまった(「次々に学生たちが自殺を始め、自分たちも殺そうとしている!」そんな無茶苦茶な、と思うけれど、その通りだ)。見方を変えればホラー映画はこんなに可笑しくなってしまう。とはいっても何処も陳腐なことなくスプラッタな描写や登場人物の真情を踏まえた遣り取りなど、巧いこと作り込まれている。
 一番最後のシーンは実に意外性に富んでいて、こんなところでも驚き。吊橋効果か。


【◎】「127時間」鑑賞。

2013年01月19日 23:55

 金曜の夜、いつものように一人で、ロッククライミングを楽しむため、アーロンはブルー・ジョン・キャニオンに向け出発した。だが、運命の瞬間が彼に襲いかかる。落石に右腕を挟まれ、谷底から一歩も動けなくなったのだ。助けを求める叫び声は無人の荒野にむなしく呑み込まれ、持てる知恵と経験を総動員して岩を撤去しようとするが、ピクリとも動かない。 死を目前にして初めて自分の人生と向き合うアーロン。自分勝手に生き、決して心を開かなかった両親にも、友人にも、恋人にも――。

 ということで、観ました。「◎◎」にしようかな、と思ったけど、褒め過ぎか。
 偶然が重なった必然は、そう信じる者がいるだけで事足りる。滑落したら一緒に落ちてきた岩に腕を挟まれて身動きが取れなくなってしまった男の話。話としてはそれだけである。更にこれが実話をベースにしているとなれば、もう全ての展開は明かされているも当然なのに、全編見入ってしまった。「窮地に陥った人々の極限を描いた再現VTR!」なんて冠をつけて、ドキュメンタリーバラエティのテレビ番組の中で5分で紹介されるような内容なのに、じっくりと舞台を描き、男の心情を描き、映画の形に仕上げた本作。どうしてだろう。それは勿論、本作が「再現VTR」ではないからだ。「へえ、そんな話があったんだね」という軽い一言で終わってしまっては、いけないからだ、きっと。
 基本的には垢抜けた奴なのに、孤独を共にすることに慣れたアーロンの性根の芯の強さは、真の孤独の世界で彼自身の生死を決めた。こりゃあ間違いなくヤバいことになったぞ、と誰もが確信する最中、彼がどれだけ理性的でいられたか、或いは何もかもを諦めて狂ってしまったか、というのがやはり一番の見所なのだろうと思う。作中で彼が思い、目にするものの殆どは、走馬灯のように煌いては消えていく。というよりも、僕はこれは単なる恐怖が見せた幻覚ではなくて、殆ど本物の走馬灯なんじゃないかと確信している。
 誰にでも結末が予想出来るのに、最後の最後まで安心することが出来なかったのが、そのせいだと思う。本作がホラー映画に分類されるのがなんだか釈然としないのだけれど、本能的な「怖さ」は、「こんな目に会いたくない」という理性的な感覚によるものだから、仕方がないのかもしれない。ちょっと(じゃない)ゴアな描写もあるし(逆に、序盤で腕を切ろうかと迷うシーンで、なまくらナイフで切れないじゃん阿呆! となったのは巧いと感心した)。飲まず食わずで5日間、の割には、終盤、元気なようにも見えるのが興ざめな人がいるだろう。
 人は脳裏に描いた映像を無視してはならない。未来が紛れているから。


【○+】「聖☆おにいさん 8」中村光

2013年01月19日 18:15

 目覚めた人ブッダ、神の子イエス。世紀末を無事に越えた二人は、東京・立川でアパートをシェアし、下界でバカンスを過ごしていた。近所のおばあちゃんのように、細かいお金を気にするブッダ。衝動買いが多いイエス。そんな”最聖”コンビの立川デイズ。

 ということで、読みました。
 冷静になっていると物凄くマニアックなネタをボンボン放り込んでいるのに、それが普通のギャグとして成り立ってしまっているのがまた凄い。このシリーズの読者の中に、イエスやブッダに会ったことがある人がいるだろうか。そしてそうした人(たち)が、「いやいやそんなことはないですよこんなことは言わないですよ本当はこうですよ」と是正して回れるようなら…、大したものですね。宗教の教えに横槍を入れているわけではない、しかし柔軟な解釈でもって「宗教学」をぶち上げているとも言えるこのシリーズ、やはり侮れません。


【◎】「スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション」鑑賞。

2013年01月16日 23:14

 10年前に起こったウッズボロー連続殺人事件。生き残ったシドニーは故郷に戻り、そこで保安官のデューイ、彼と結婚したゲイルと再会する。しかし、シドニーの帰郷を機に、2人の女子高生が惨殺される。シドニーの叔母ケイト、従姉妹のジル、その友達で男勝りのカービィと美しいレベッカ、カービィに好意をよせている映画サークルのチャーリーとオタクのロビー、そしてジルにつきまとう元彼のトレヴァー。厳戒体制がひかれる町でシドニーの周囲にいる人たちが次々と狙われていく。様々な思惑が入り混じり、過去の事件をなぞるかのように犠牲者は増え続ける。一体、誰が犯人なのか…!?

 ということで、観ました。
 前作から11年ぶりの新作。作中でも10年の歳月が流れていて、人間関係にも多少の変化が。しかしシドニーとかデューイとかゲイルとかは覚えている通りのキャラクターでなんだか安心してしまう。しかしまあ、蓋を開けてみれば犠牲者カウンターが今回も凄いことに。一体、何人死んだ?(手前が世間で注目されたい、という独りよがりの小娘の動機のために! おかげで彼女には全く同情せず、ラストの一撃の爽快なことといったら!)即日世界報道レベルの殺人事件ですね、今回も。まあ、ナイフひとつでサクサクといくのはシリーズ通して同じなので、あまりゴアゴアしていないのは良いところ。現代ホラーの定石を着々と押さえていく遣り方は健在で、何処かコメディの空気すら漂うのが楽しい。恐怖映画ではなくて「ホラー映画を楽しませる」ためのホラー映画なので、これでいいのです。
 タイトルがこんな感じなので、これはひょっとしたら本当に世代交代しちゃうのかも、と思っていたら、ある意味、当たっていましたね(親兄弟恋人従姉妹と、本当に他人と関わっちゃいけないと思うぞ、シドニー…)。こういうひねり方は大好きです。ラストまで予測出来ない加速度が素敵。登場人物の誰一人として無傷では終わらず、それどころか9割5分くらいが重症以上、という重々しさが素晴らしいです。よくぞここまでやった。


【○-】「金田一少年の事件簿 錬金術殺人事件(下)」さとうふみや・天樹征丸

2013年01月16日 21:09

 「賢者の石」が玲香を救う!? 館に潜む謎を解いた時、冷酷残忍な殺人鬼「錬金術師」の仮面は剥がれ、真犯人が姿を現す!
 明智警視も登場の傑作短編「高度1万メートルの殺人」も同時収録。空飛ぶ密室、旅客機で起こった殺人事件。殺されたのは乗客の命を預かる機長だった!

 ということで、読みました。
 硬く大きな密室トリック解明。すげえ! 確かに凄いんだけど、なんだか釈然としない…。説得力はあるんだけど、ミステリとしてあまりにも現実過ぎる工作じゃないか、これ。でも伏線は全編にあるんですよね。犯人は本当に錬金術師だったんだ! 1時間掛けてアレをああして戻して、頑張ったのか、凄いね! と思ってしまいました。奇想天外、というか、実に物理(科学)的なトリックだと納得はしたのだけれど、真夜中にああいう犯行はリスクが高いのではないだろうか(石膏とバーナー抱えて、金属の扉をトンカンと、真夜中のDIYですかと)。あれを精密に、かつ性急に、なおかつ静かに行うには、相当のシミュレーションと訓練が必要だと思う。まあ、執念がやり遂げたんだろう。こういう手間暇掛けて行わないと成立しないようなトリックは、やはり最初の殺人にドカンとやるに限るね。関係者が誰も警戒していないうちに。実際、二人目以降の殺人はかなり犯人にも運が味方したように思う。
 犯人の告発シーンは劇的で良いですね。絵で見る消去法推理、みたいの。こういうの大好きです。




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